2023年第1回定例会 一般質問 小林おとみ区議

 質問日:2023年2月14日

 ただいまから日本共産党板橋区議会議員団の一般質問を行います。

1、異常な物価高騰から区民生活と中小業者の営業を守るための協力な支援を

⑴ 区民生活への緊急支援について


 まず初めに、異常な物価高騰から区民生活と中小業者の営業を守るための強力な支援を求めて質問します。
 初めに、区民生活への緊急支援についてです。2022年12月の消費者物価指数は4.0%上昇と、41年ぶりの異常な上昇率になりました。電気代・ガス代が2割から3割の値上げで、食料品など生活必需品ほど値上げ幅が大きく、庶民の暮らしを直撃しています。家計の負担増を月平均で比べると、2人以上の世帯で、この1年間で14万3,000円もの上昇です。今後、主要食品メーカーで1万品目を超える価格改定が公表されており、物価高騰による区民生活の圧迫はいよいよ深刻です。小豆沢・志村地域では定期的にフードバンクが取り組まれ、毎回200名近い方々が利用しています。主催者が取りまとめた結果では、毎回70代の人が3割ぐらいを占めていますが、昨年12月は40代が急増し、特に子育て世代の利用が高まっているとのことです。20歳未満、20歳以上の子どもを抱える世帯の利用が徐々に増えており、奨学金や学費に悩んでいるケースや、子どもの失業などが生活苦の大きな要因となっています。収入が増えたという人はいません。20代から60代の生産年齢層の約64.9%が収入が減ったと答えています。食費・光熱費を切り詰めるのも限界、医者にかかるのを諦めているなど、健康で文化的な生活とは、かけ離れた実態が区民の生活の中に広がっています。区民生活に困難が広がっている一方で、区の財政は潤っています。2021年度末、969億円だった基金残高の総額は、2022年度末で1,144億円にまで膨らみました。しかし、緊急かつ必要性の高い施策を盛り込んだとする最終補正では、区民生活への直接的な支援策は見受けられません。異常な物価高騰から区民生活を守るための緊急の支援が必要だと考えます。区長の見解を伺います。
 当面の緊急支援として、学校給食費を当分の間無料にすること、ひとり親世帯及び低所得の世帯への給付金を支給すること、区独自の大学生等への給付型奨学金を実施することを求めます。見解を伺います。コロナ禍の2020年3月から始まった生活福祉資金の特例貸付は2022年9月末で終了し、2023年1月から返済が始まります。一定の条件の住民税非課税者は償還免除の対象になりますが、免除するには申請が必要です。板橋区では、償還免除の対象者は緊急小口で1万868件、総合貸付で8,210件、免除申請をした人は緊急小口で3,038件、28%、総合貸付で2,570件、約32%でしかありません。免除申請をした人も、また、いまだ申請していない人にも、引き続き生活再建への支援が必要です。コロナの特例貸付を受けた人たちに対して、長期にわたる償還支援、生活再建に向けた相談体制を整備し強化するために、人員増と相談スペースの確保、社会福祉協議会への支援強化を求めます。見解を伺います。

⑵ 賃金引き上げについて


 次に、賃金引き上げについてです。賃金が上がらず、成長が止まった国という先進国の中でも特異な国になった日本経済を立て直すために、賃上げが鍵であることは政府も日銀も経済界も誰もが否定しません。アベノミクス、新自由主義の下で実質賃金は10年間で24万円も減りました。労働法制の規制緩和が非正規雇用と長時間労働を拡大し、労働者全体への賃下げ圧力となっています。今こそ、政治の責任で全ての労働者の賃金を引き上げる取組をしなければなりません。城南信用金庫が1月に行った調査では、取引先の中小企業738社のうち72.8%が賃上げはできないと回答したとのことです。日本の労働者の7割を占める中小企業で働く労働者の賃上げが実現できなければ、国民全体の賃上げにはなりません。区として、中小企業に働く人たちの賃金引上げに向け、支援金制度の創設、賃金引上げに伴い社会保険料が引き上がらないようにする手だてなどを講じていただきたいがいかがでしょうか、見解を伺います。2020年度から導入された会計年度任用職員制度は、自治体に働く非正規職員の処遇改善を趣旨としてスタートしたものですが、実態は改善とは到底言えないものになっています。1年ごとの任用は雇用不安の大きな要因になっており、最低賃金法の適用外となったことで時間単価が最低賃金を下回る実態も生まれており、また、期末手当について、正規職員の勤勉手当部分が引き上がっても、会計年度任用職員は全く引き上がらないという不平等があります。期末手当について、総務省は令和4年度内に方向性を出すとのことですが、法整備を待つことなく、地方自治体の自主的・自律的な判断で不平等をなくすべきです。会計年度任用職員の給与及び期末手当を引き上げることを求めます。見解を求めます。公契約に関わる労働者の賃金・労働条件を引き上げることが必要です。2006年に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律は、公共工事の品質確保が国民の福祉の向上につながり、中長期的に担い手を育成、確保していく必要があることなどを趣旨としたものです。板橋区は今年1月、板橋区が発注する契約に係る労働環境の確認に関する要綱を公表しました。この要綱によって、一定金額以上の工事や委託契約について、契約の相手方に労働環境の確認を行うチェックリストの提出を求めることになりました。チェックリストの項目は法令遵守を確認するだけの内容ですが、区が今回要綱を制定したことは、今までの事業者任せの姿勢から一歩前進したものと考えます。しかし、チェックリストの提出だけでは実態の改善にはつながりません。区として、下請、孫請までの実態調査、点検、労働者本人に対する調査を求めます。また、公契約に当たって人件費の算定基準を引き上げることを求めます。見解を伺います。

⑶ 中小企業・小規模事業者をつぶさない本格的な支援を


 次に、中小企業・小規模事業者をつぶさない本格的な支援を求めて質問します。昨年8月に板橋区が区内5,000件を対象に行った区内主要産業の現況調査報告書が11月に発表されました。報告書によれば、直近の売上高及び経常利益が減少していると回答した企業は約5割となり、来期の経常利益の見通しを赤字と答える企業が5割半ばとなっています。コロナ禍での借入金の使い道は、人件費や家賃などの当面の資金繰りに充てた企業が約8割です。自由記入欄には、コロナ禍が長引く中で、精神面でも少なからず疲弊しているという痛切な思いや、借入金の返済への不安、新たな融資や給付金を求める声、光熱費の問題の解決を求める声、助成金・補助金の情報が欲しい、人材確保の支援が欲しいなどの声が溢れています。コロナ禍で、実質無利子無担保のコロナ特例融資、いわゆるゼロゼロ融資が中小企業の事業継続を支えてきましたが、経済が好転しない中で、返済開始の時期を迎えています。到底返済ができないという状況が広がれば、物価高倒産や過剰債務倒産が激増するおそれがあります。それは個々の事業者の借入金問題にとどまらず、地域経済、地域の金融機関の経営にも影響を及ぼす問題になります。コロナ禍、物価・原材料価格の高騰、過剰債務という三重苦が中小企業・小規模事業者にのしかかっています。政府は自己責任、自助努力を前提にして、事業者支援と言いながらも、事実上、企業の新陳代謝を進めるという方向で、つまり潰れるものを潰さないと経済の邪魔になると言わんばかりの対応です。しかも、こうした国民の苦境をよそに、ゼロゼロ融資の残金を5年間で43兆円もの軍事費拡大の財源にすることを検討するなど、あまりにも国民生活を無視しています。中小業者・小規模事業者を苦しめている三重苦は、事業者の自己責任を問われるような問題ではなく、政治の責任で解決をしなければならない問題です。板橋区として、今こそ地域経済を立て直すための積極的な支援に乗り出すべきです。コロナ禍のゼロゼロ融資の返済に困難を抱えている企業・事業所については、信用保証協会と連携して、無利子無担保のまま別枠にして返済を猶予し、事業継続に必要な新規の融資が受けられるようにしていただきたいが、いかがでしょうか。燃料代の高騰に対する対策は、全分野にわたって求められています。何らかの対策を打ち出していただきたい。銭湯や農業者への特別な支援策を実施することを求めます。
 コロナ禍での区独自の家賃助成や、国や都の支援の対象外になる事業者への直接支援は大いに歓迎されました。もっと早く制度を知らせてほしかったという声が、区の調査報告書でも出されています。今の経済状況の下で、板橋区の地域経済を支えることを目的とした助成金・補助金の制度を検討していただきたい。区内の雇用確保、人材確保、後継者育成、デジタル化対応、家賃やリース代などの固定費の支援、障がい者雇用や再生可能エネルギーの普及など、地域内でのネットワークや資金循環を生み出すような、板橋の地域経済を活性化させるための区独自の助成・補助制度を創設していただきたい。見解を伺います。区内事業者の92.4%が19人以下の中小・小規模事業所です。4人以下が75%です。板橋区の産業は、中小・小規模事業者と、そこに働く労働者によって支えられています。小規模企業振興基本法の成立を受けて、今、少なくない自治体で、小規模企業振興基本条例を制定する動きが広がっています。板橋区産業活性化条例は区内産業の発展をうたうものですが、中小企業・小規模企業が地域経済の主役であることの位置づけが明確になっていません。板橋区として、中小企業・小規模企業振興基本条例の制定を求めます。見解を伺います。

2、新型コロナウイルス感染症から区民の命を守るために

⑴ 国の「5類」への変更について


 次に、新型コロナウイルス感染症から区民の命を守ることについて質問します。
 初めに、国の5類への感染症類型の変更についてです。新型コロナの感染拡大の第8波では、死者数が1日500人を超え、過去最多を記録しました。初期の診断、治療につながることができず、亡くなる人が後を絶ちません。ところが政府は、新型コロナ感染症について、感染症法上の分類を季節性インフルエンザ並みの5類に引き下げる方針を決定しました。何のために5類にするのか、どういう目的を達成するためにそうするのか、全く説明がされていません。類型が変更されたからといって、ただの風邪になったわけではありません。3年にわたるコロナの感染拡大の中で、地域医療の体制や保健所の体制は強化されたでしょうか。ずっとその場しのぎの対応が迫られ続けてきたのではないでしょうか。医療体制や保健所の強化抜きに、こんな方針が押しつけられたら、医療現場の混乱は避けられません。さらに患者には医療費の自己負担が発生し、ただでさえ高くなっている医療へのアクセスのハードルをさらに引き上げることになり、犠牲を拡大することになります。国の方針変更は、医療への公的責任を放棄するものだと考えます。そこで区長に伺います。政府は新型コロナウイルス感染症の5類への引下げによって、全ての医療機関が対応可能になると言いますが、本当に全ての医療機関で対応が可能になりますか。また、入院へのアクセスに保健所の関与もなくなれば、今のままでは受け入れる体制がありませんと言って断られてしまう可能性のほうが大きいのではないでしょうか。区としての考えをお聞かせください。政府は、医療費の本人負担について、順次求めていくという考えを示しています。患者負担の発生で受診控えが起こるなら、患者の命と健康に関わるだけでなく、さらなる感染の拡大につながることになると考えます。区長の見解を伺います。

⑵ 高齢者施設で感染を広げないために


 次に、高齢者施設での感染拡大について質問します。区内のある介護老人保健施設でお話を伺ってきました。昨年11月と12月の2回にわたってクラスターが発生しています。1回目は、利用者11名、職員1名、2回目は利用者7名が感染しました。いずれも、10日間の療養期間を施設内で過ごしたとのことです。職員は患者さんの個室に入るたびにガウンの着脱をし、ガウンだけでも1日100枚以上必要になりました。行政からの支援は全く足りていません。また、ずっと個室に隔離できるわけではなく、トイレは患者さん専用にはしてありますが、廊下に出なければなりません。認知症の方はすぐに部屋から出てきてしまうなど、施設での療養は感染拡大のリスクが大き過ぎることが分かりました。職員の体制を維持すること自体が困難です。また、酸素飽和度が低下したために救急車を呼んだが、延命を希望する人は受け入れられないという病院が多く、救急車が4時間以上かけて35件以上の病院に当たったが、どこも駄目で、結局、家族を説得して延命を諦めてもらったということがあったそうです。こんなことが許されてよいでしょうか。コロナ感染から3年以上を経て、なお命の選別が行われている。人の命の尊厳が守られていません。医療体制の抜本的な強化が必要です。そこで区長に質問します。現状でも医療にアクセスできず人間の尊厳が奪われているような実態があることについて、区長の認識を伺います。
 新型コロナウイルス感染症の自宅療養を施設に求めることはせず、施設で発生した患者さんの受入先を確実に確保していただきたいがいかがでしょうか。5類になることで、国が設置した都内2か所の高齢者等医療支援型施設や独立行政法人となった旧都立公社病院での受入れ体制が後退することがないよう、国や東京都に求めていただきたい。見解を伺います。高齢者施設は、コロナの感染拡大の中で収益が落ち込み、施設の存続が危ぶまれる事態です。そこにこの物価高騰が襲いかかっています。高齢者施設への財政援助を抜本的に強めていただきたい。見解を伺います。

3、高齢者のくらしにのりかかる負担を軽減するために


 次に、高齢者の暮らしにのしかかる負担を軽減することを求めて質問します。
 昨年10月から、75歳以上の一定所得以上の高齢者の医療費窓口負担が2倍化をしました。額面で月17万円程度の年金で、今まで1割負担だった人の窓口負担が2倍になったのです。板橋区内で1万4,000人に影響が出ています。通院回数を減らしているという70代の方。リハビリが1回200円だったが490円になった、回数を減らしたという80代の方。また、10月・11月2か月で、入れ歯が壊れて歯科にかかり7回通院、そのほか内科・泌尿器科にかかり、妻は整形外科に週1回、骨密度の注射をしに行くが、今まで1,100円だったものが1回2,200円になり、夫婦合わせて1か月の医療費が約4万円ほどかかりました。2割負担の覚悟をしていましたが、支払いの都度、負担の重さを実感しています。こんな悪い制度は廃止してほしいですと、90歳に近い方から切実に訴えられました。居酒屋を営む70代のご夫婦は、コロナによる休業要請や時短営業を補償した給付金が収入認定をされたことで課税者になり、医療費の窓口負担が今まで1割だったのに、一気に3割に引き上がったと悲鳴を上げています。また、世帯課税で本人は非課税という80代の方は、預貯金を取り崩し、同居の子どもから生活の不足分を出してもらっているというぎりぎりの生活だが、政府からは、世帯課税だからと支援の対象にもしてもらえない、納得できないと言います。そこで区長に伺います。年金が引き下げられ、医療費の負担が増えて、物価高騰など様々な要因が重なって、高齢者の生活に困難が広がっているという認識はありますか。見解を伺います。
 医療費負担の増大に対し、助成金制度などの支援策を講じることを求めます。見解を伺います。この間、区として、均等割のみ課税者への給付金も実施されましたが、ほんの少し税金を払っているだけで給付の対象から外され、高い保険料を払い、窓口支払いの引上げの対象になるなど、課税されている高齢者の負担が膨らんでいます。課税されると一気に料金が引き上がるものとして、東京都が行っているシルバーパスがあります。シルバーパス購入費用は、非課税者は1,000円ですが、課税者になると一気に2万510円に跳ね上がります。板橋区の利用者は、2021年10月から1年間で4万8,859人ですが、そのうち2万510円の人は5,842人です。せめて、課税になったら一気に2万510円という料金設定を改善してほしいという声が上がり続けています。コロナの中で、家に籠もりがちな高齢者に外出の機会を増やすきっかけにもなるシルバーパスです。課税者というだけで一まとめにして、一気に2万510円とするのは、高齢者の所得に沿ったものになっていないと考えます。見解を伺います。

4、国民健康保険料の値上げは許されない


 次に、国民健康保険料の値上げを止めることを求めて質問します。
 2月9日に開かれた東京都国民健康保険運営協議会では、2023年度の国民健康保険料について、1人当たり18万856円、22年度比で1万3,814円、8.27%もの大幅な値上げとなることが明らかになりました。22年度の9,691円が、広域化以降最大の上げ幅でしたが、それをも上回るものです。厚生労働省の調査でも、国保加入者は高齢者や失業者など4割以上が無職です。年所得200万円以下の非正規労働者も増え、加入世帯の平均所得は1995年の約230万円から2020年には136万円へと減少しています。1人当たりの平均所得は89万円です。にもかかわらず国保料は値上げされ続け、払いきれない重い負担になっています。東京23区に住む年収400万円の4人世帯、40代夫婦と子ども2人、給与所得者の負担は協会けんぽ加入者が年23万4,000円であるのに対し、国保加入者は52万8,000円と2倍以上になっています。高過ぎる国保料の最大の原因は、1984年の国民健康保険法の改悪による国庫負担率の45%から38%への削減であり、広域化を契機とした加入者の生活実態を無視した保険料の決定方式にあります。高い・払えない保険料が滞納を生み、資格証の発行・差押えなど強権的な徴収が行われ、結果として医療から遠ざかり、重病化し、医療を受ける権利が奪われるという悪循環を生み出しています。コロナ禍で、全額国庫負担による傷病手当が実現したり、コロナ特例減免の活用によって、多くの人の医療を受ける権利が守られました。コロナ禍と物価高騰により、区民の暮らしには一層厳しさが広がっている中で、国保料のこれ以上の引上げは絶対に許されないと考えます。区としての法定外繰入れは、国保加入者の生活実態を反映していない国保料の決定の仕組みと、加入者の生活実態との乖離を埋めるための最低限の政治の責任です。2023年度の国民健康保険料は、明後日、2月16日の区長会で決定されると聞いています。引上げになるような決定は承認しないでいただきたい。さらに区として、引き上がらないようにするために、法定外繰入れの実施など、あらゆる手段を講じていただきたい。また、子どもの均等割は18歳まで区の責任で助成することを求めます。見解を伺います。

5、地域と子どもたちのために、志村小・志四中の統合一貫校化は見直しを


 次に、地域と子どもたちのために、志村小・志四中の統合一貫校化を見直すことを求めて質問します。
 志村小学校と志村第四中学校の統合一貫校化が進められています。当初の7階建ての計画が、近隣住民からの反対によって5階建てへと計画変更が行われ、3月に説明会を実施するとのことです。計画している小中一貫校は、児童・生徒合わせて900名を超える大規模校になる予定です。近隣住民の反対があって、高さを高くできず、高さを下げれば、その分、校庭が狭くなり、教育環境が劣悪になるというジレンマに陥っています。志村小は志村小のまま、志四中は志四中のままで建て替えるよう、計画を見直すことが最も最善の道であり、無理な計画は立ち止まって見直すことが必要です。今こそ必要だと考えます。そこで教育長に伺います。区がどうしても小中一貫校をつくりたい理由は何ですか。今後も小中一貫校づくりを広げていく考えですか。今後何年かけて何校の小中一貫校をつくっていく計画なのかをお示しください。小中一貫校とそうじゃない学校の違いは何ですか。志村小の学区域に隣接する小豆沢地域では、現在、トッパン、トーハツなど、大きな会社の社屋や工場や社員寮などが解体され、今後の跡地利用が地域にとって大きな関心事になっています。小豆沢一丁目のアステラス製薬の跡にできた大型マンションの影響で、志村第四小学校、志村第二小学校は、既にこれ以上の児童の受入れは困難になっています。小豆沢・志村地域で企業の跡地でマンション建設が進むことが十分に予測される中で、志村小が坂の下に移ってしまえば、今後増える子どもたちが行き場を失ってしまいます。志村小を今の場所から動かすべきではないと考えます。見解を伺います。

6、統一協会の行政への介入を許さないために


 次に、統一教会の行政への介入を許さないことを求めて質問します。
 高額献金や霊感商法、集団結婚などの反社会的な活動、不法行為を繰り返してきた統一教会が、自らの活動を広げるために、国政から地方政治まで、広範に、また多様な形で接点を持ち、時に深く関与していたことが明らかになりました。今、政治にも行政にも統一教会との関係を一切断つと同時に、被害を根絶し、予防を啓発し、脱会者の支援体制をつくることが求められています。板橋区は令和4年11月18日、旧統一教会及び関連団体による活動実態が社会的に問題となっている点を踏まえ、区としては、その活動を擁護・容認するものではないことを明確にするためとして、区としての旧統一教会及びその関連団体との関わりについての実態調査結果を公表しました。区の調査によれば、平成29年4月1日から令和4年9月末日までに7団体と接点があり、接点の内容は、寄付の受領、運営・事業委託・指定管理者施設を含めた施設の利用、契約、区の主催事業への参加、チラシ等の配架、広報紙の設置、連絡会員の登録など多岐にわたっています。区は、今後一切の関わりを持たないことの表明はしたものの、対象となる団体への直接的な警告や通告などは行っていません。しかし、今後関わりを持たないようにしていくためには、これまでの関わりについて、その実態を区民に分かるようにし、区民の協力を得ることが必要ではないかと考えます。そこで区長に伺います。調査で明らかになった7団体の名称を明らかにしてください。また、どういう事業に接点があったのかを明らかにしてください。旧統一教会及びその関連団体と今後関わりを持たないようにするために、区はどのような取組を行っていくのか、その方向性をお示しください。
 昨年末の臨時国会で、一般に被害者救済法と呼ばれる法律ができました。しかし、今回の法律は子どもの被害が現実的にはまったく救済できないと二世被害者の方が語っているように、被害者の真の救済につなげるための早急な見直しが必要です。宗教二世の被害者から聞く、幼い頃から貧しい生活を強いられた凄惨な経験はあまりにもつらすぎます。家庭が崩壊し、進学も結婚の自由も奪われるという深刻な人権侵害が、宗教の名の下で行われていることは、絶対に見過ごすことはできません。声を上げられないでいる人がたくさんいることを考えると、本当に被害者を救済するために社会全体が動かなければいけないという思いを強くします。被害は、金銭的被害と同時に、生活や精神的な被害、基本的人権の侵害に及んでいます。区として、保護と相談の体制を強化することで、不十分な法律を補完していくことが必要です。統一教会による被害者救済の相談を消費者問題とせず、区として独自の相談窓口を設置することを求めます。また、国の相談窓口を区としてもPRしていただきたい。見解を伺います。
 全国の自治体で家庭教育支援法の制定を国に求めたり、自治体として条例制定を求めたりする運動が、統一教会によって組織的に取り組まれていることが明らかになりました。板橋区においても、現職の衆議院議員や区議会議員、元都議会議員などがこの運動に関わりがあることが既に広く知られるところとなっています。多くの区民や保護者から、板橋区に、統一教会の家庭教育の考え方が持ち込まれていないのか、心配の声が上がっています。区は、家庭教育支援法の制定を国に求めたり、自治体として条例制定を求めたりする動きが、統一教会及びその関連団体などによって、組織的・全国的に行われているという認識がありますか。統一教会は、家父長的な思想で、男女共同参画や性の多様性を否定してきました。これらの運動は、古い家族観を国家の管理下で家庭に押しつけようとする狙いがあります。これは、家庭教育の自主性を尊重するという教育基本法及びそれに基づく板橋区の教育方針とも相入れないものだと考えます。見解を伺います。

7、板橋から軍備拡大反対の声を


 次に、板橋から軍備拡大反対の声を上げることを求めて質問します。
 昨年12月19日、沖縄県石垣市議会は、陸上自衛隊石垣駐屯地、仮称への長射程ミサイル配備に関する2つの意見書を政府に対して提出しました。意見書では、12月16日に閣議決定された安保関連3文書において、反撃能力、敵基地攻撃能力保有の明記がされたことによって、他国の領土を直接砲撃することが可能となり、これまでの、政府・防衛省の説明、配備される誘導弾、ミサイルは、他国領土を攻撃するものではなく迎撃用であくまでも専守防衛のための配備だという説明が覆されていることは到底容認できないとする意見書です。日本は既に、2015年に成立した安保法制によって、集団的自衛権を行使することが可能になっています。日本が攻撃されていなくても、同盟国の戦争に参加していく道が開かれているのです。台湾で米中が争い合うことは米中の問題です。しかしそこで一旦戦争という事態になったら、日本は攻撃されていないのに、真っ先に戦争に駆り出され、真っ先に攻撃の的になるのは日本本土です。石垣島を含め沖縄全島に、そして日本全国にある米軍基地、自衛隊の基地、そして中枢の司令部を置く東京では、市ヶ谷駐屯地、米軍横田基地などが標的になっていくのです。戦争は、一度始めてしまったら、政府の思惑を超えて止めることができず、多くの国民の命が奪われていくことを、私たちは日々のウクライナの事態で目の当たりにしています。アジアで絶対に戦争をさせないために、二度と戦争はしないと決意して憲法9条を持った日本が果たす役割は絶大なのです。板橋区の平和都市宣言は、憲法の平和主義の理念の上に、板橋区民が核兵器廃絶と世界平和のために役割を果たすことを宣言しています。今こそ、戦争の準備につながるあらゆる動きを食い止めるために、声を上げていこうではありませんか。政府は反撃能力、敵基地攻撃能力を保有することが抑止力になると言いますが、本当にそうでしょうか。そもそも抑止力とは、相手に恐怖を与えて戦争を未然に防ぐという理屈ですが、これは神話にすぎません。なぜなら、恐怖を感じた側が、抑止力だと言って戦争の準備をしたら抑止は効いたことにならないからです。抑止力の名の下に、軍事力で威嚇し合う、軍拡競争がエスカレートすれば、抑止はいずれ崩壊し、戦争になりかねません。日本国憲法第9条はそうした抑止論の立場に立つものではありません。政府の行為によって絶対に再び戦争を引き起こさないために、戦争は絶対にしないという強い決意で世界と向き合っていくという立場です。だからこそ、これまで政府は、自衛権の発動を必要最小限のものだとし、自衛力は他国に脅威を与えるものであってはならず、個々の兵器に関しても他国の領域に対して直接驚異を与えるような攻撃的な兵器の保有は許されないとしてきたのです。日本に戦火を呼び込むような反撃能力、敵基地攻撃能力の保有は日本国憲法が掲げる恒久平和主義の精神に反するものだと考えますが、区長の見解を伺います。

8、地域課題について

⑴ 蓮沼公園と本蓮沼公園について


 次に、地域課題についてです。
 まず、蓮沼の本蓮沼公園についてです。蓮沼町69番地の蓮沼公園は、町会行事でもよく使われ、近隣の保育園も頻繁に使う大事な遊び場でもあります。町会の皆さんが清掃などにも積極的に取り組まれている公園です。地域の方々から、公園のトイレはいつになったら洋式化されるのかとの声が上がり続けております。蓮沼公園のトイレの洋式化の見通しをお聞かせください。また、区としてのトイレの清掃の回数を増やしてください。蓮沼公園は遊具が新しくなって喜ばれていますが、滑り台は高さが高く、保育園からは、保育士が手が届かず子どもを支えられないので、もう少し低くしてほしいという声があります。保育園の園児でも安心して使える滑り台を設置していただきたいがいかがでしょうか。また、蓮沼町27番地の本蓮沼公園は、公園利用者が使えるトイレがあるのですが、場所が分かりにくいです。トイレの場所を分かりやすく表示することと、洋式化することを求めます。

⑵ 本蓮沼駅の自転車駐車場について


 次に、本蓮沼駅の自転車駐車場について質問します。本蓮沼駅には自転車駐車場が3か所あります。現在の自転車の収容台数は3か所合わせて定期利用213台、当日利用は110台、ラック式時間利用が175台で、全体で498台となっています。2023年度から指定管理者による管理になることを契機に、利用の仕方が大きく変えられてしまいます。利用率の最も高い駅裏の駐輪場は全て定期利用となり、当日利用は全てなくなります。ラック式時間利用は駅前の小さなスペースと、駅から150メートルほど離れた遠い場所しかありません。今まで駅の裏に駐輪できていた当日利用の人たちにとって大変な不便となり、回数券の廃止など大きなサービス低下となります。そこで区長に伺います。なぜ、駅の裏の駐輪場を全て定期利用にしなければならないのですか。回数券が使える当日利用を復活していただきたい。また、駅の裏の駐輪場では今まで何人の人が働いていて、4月以降は何人の人が配置されるのですか。採算だけを優先せず、区が高齢者の就労場所の確保としての役割も果たしてきた駐輪場の人の配置を減らさないことを求めます。見解を伺います。

⑶ まちなかにひと休みできるベンチの設置を


 最後に、まちなかにひと休みできるベンチの設置を求めて質問します。まちの中に、ちょっと座って休めるところがあるだけで、まちは歩きやすくなります。特に足腰が弱くなると座れる場所の必要性を強く感じるものです。まちの中、生活道路上や沿道沿いにベンチなどの休憩スポットをつくることは、優しいまちづくりにとって欠かせない施策だと考えます。板橋区でもかつてまちのシルバーシート事業というものがありましたが、現在休止しています。世田谷区では道路に面したところに設置するベンチに補助をしたり、品川区でもバス停お休み石、くつろぎお休み石などと銘打って、まちなかに休める場所の設置を進めています。高齢者が外出先でベンチを必要としている現状があることを区は認識していますか。ベンチの設置による高齢者に優しいまちづくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 国道17号線沿いの歩道及び旧中山道・仲宿商店街に、小休憩ができるベンチを設置してほしいという声があります。高齢者は、できれば背もたれのあるベンチを望んでいます。ぜひ検討していただきたいがいかがでしょうか。
 以上をもちまして私の一般質問を終わります。ご清聴大変ありがとうございました。

(区長)それでは、小林おとみ議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、物価高騰に対する支援についてのご質問であります。区では、物価高騰に対応するために低所得世帯や子育て世帯へ国及び区独自の給付金を補正予算に3回計上し、これまで生活支援を行ってまいりました。今後も生活や就労相談、食糧提供など困難を抱える区民に寄り添った支援を行いまして、不安や悩みを解消していきたいと考えています。
 次は、当面の緊急支援についてのご質問であります。生活困窮家庭等につきましては、既に学校給食費の無償化を実施しております。また、子育て世帯や非課税世帯に対する国の給付金支給のほか、対象を拡大した区独自の臨時特別給付金の支給を実施したところであります。大学生等につきましては、給付型奨学金や学費の減免を国が実施しておりまして、区が直ちに単独で実施することは考えていないところでありますが、今後も社会情勢に対応し、必要とされる支援を行っていきたいと考えています。
 次は、社会福祉協議会への支援強化についてのご質問であります。コロナ禍に対応し、実施されました特例貸付制度の貸付金の返済が、本年1月より開始されたことは認識しております。返済の相談に当たりましては、社会福祉協議会と福祉事務所、いたばし生活仕事サポートセンターが連携した体制を構築しております。今後も社会福祉協議会を支援し、地域福祉の推進・向上を図っていきたいと考えています。
 次は、中小企業の賃金引上げ支援についてのご質問であります。政府は、持続的に賃金が上昇する経済環境を整えることを目指す構造的な賃上げを掲げておりまして、日本経済団体連合会も会員の企業に対して賃上げの検討を促しております。国では、中小企業向けに雇用者全体の給与等支給額の増加額の最大40%を税額控除する賃上げ促進税制による支援を行っております。賃上げにつきましては、業績や社会情勢などを総合的に判断して各企業の経営者が決定するものであり、社会保険料につきましては、各保険者が決定する事項であります。
 次は、会計年度任用職員の処遇改善についてのご質問であります。会計年度任用職員は、特別給における勤勉手当の設定がなく、任期の定めがない常勤職員との均衡の考え方が各自治体で異なるなど、制度上の課題が多いと認識しています。勤勉手当の支給を可能とする地方自治法の改正案が国会に提出される予定であることが報じられておりまして、国の動向を注視し、適切に対応していく考えであります。なお、賃金につきましては、近隣区の状況や物価上昇の影響を踏まえ、人事委員会の勧告に基づく給料表の引上げに加えて、区独自でさらなる引上げを行う想定で、令和5年度予算案を編成しているところでございます。
 次は、下請、孫請までの実態調査についてのご質問であります。公共工事で働く労働者の賃金を含む労働環境の把握につきましては、まずは来年度からスタートする労働環境の確認に関する要綱に基づいて提出されましたチェックシートの分析など、要綱の運用を通じまして実態把握に努めていく考えであります。
 次は、公契約における人件費の算定基準の引上げについてのご質問であります。区では、板橋区が発注する契約にかかる労働環境の確認に関する要綱の制定や、最低制限価格の引上げ、総合評価方式の入札における評価項目の見直しなど、毎年労働環境の向上につながる新たな取組を実施しております。また、各部署においては、契約の発注のための起案・起工を行う際には、人件費を含め最新の設計単価表や物価資料に基づきまして積算しております。
 次は、融資枠の拡充についてのご質問であります。信用保証協会の通常保証枠を超えて賃金を必要とする場合は、セーフティネット保証制度により区の認定を受け、信用保証協会の審査を経て保証枠を増額することができるものであります。本年1月から、国によるコロナ融資の借換保証制度が創設され、計画書の作成や売上高の減少など条件はございますが、借入時の信用保証料を大幅に引き下げることが可能となりました。企業活性化センターでは、経営課題や資金繰り等に関する総合的な支援に対応するため、経営改善チームを設置しておりまして、経営状況が厳しい場合などはご相談をいただきたいと考えています。
 次は、燃料代高騰への支援策についてのご質問であります。燃料代高騰への対策としましては、昨年1月から実施しております国による燃料油価格激変緩和措置が延長を重ね、本年9月末まで対応される予定となっております。電気代やガス代につきましても、国による電気・ガス価格激変緩和対策事業がスタートしておりまして、今後の価格抑制が期待されるところであります。公衆浴場に対しましては、今後の燃料費高騰の状況などを踏まえた上で支援を検討しておりまして、また農業者に対しましては、これまでどおり肥料の配付など要望に応じて支援を実施していきたいと考えています。
 次は、区独自の助成・補助制度の創設についてのご質問であります。現在エネルギー価格高騰の長期化に伴い、事業継続の支援及び区内消費の回復を図るため、設備更新への助成を区独自で実施しております。ほかにもデジタル環境構築補助金や産業振興公社が実施しておりますデジタルツールによる生産性・収益力向上のための持続化支援事業など、区独自の助成制度を導入しております。今後も区内の中小企業や小規模事業者に寄り添った支援を実施していきたいと考えています。
 次は、中小企業・小規模企業振興基本条例の制定についてのご質問であります。区では、平成17年3月に、板橋区産業活性化基本条例を制定し、区内の中小企業や小規模事業者の振興と支援を実施しているところでございます。現行の条例につきましては、中小企業基本法はもとより、平成27年に施行されました小規模企業振興基本法が求める基本原則に合致したものであると認識しています。そのため新たな条例を制定する予定はないところであります。
 次は、国の5類への変更に関連いたしまして、変更後の医療体制についてのご質問であります。新型コロナウイルス感染症の5類への位置づけ変更により、季節性インフルエンザ等の感染症と同様に、希望する医療機関を受診することが可能となります。診療を受け入れる医療機関では、施設面など個別の理由により受入れが難しい場合もあることは想定ができます。入院調整につきましては、医療機関間で詳しい病状を直接連絡するコロナ以前の方式のほうが調整時間の短縮が図れるため、入院を必要とする患者にとっても望ましいものと考えています。
 次は、医療費負担が発生することによる影響についてのご質問であります。位置づけの変更後は、感染症法に基づく措置ではなく医療保険での診療となるため、費用負担が発生することはやむを得ないものと考えます。急な費用負担の変更は、受診控えにつながる可能性が懸念されるため、段階的な移行が望ましいと考えます。区では、位置づけ変更後も相談体制を継続し、受診が必要な方が医療を受けられるように支援していきたいと考えています。
 次は、高齢者施設で感染を広げないために関連いたしまして、施設における現状についてのご質問であります。発生届の限定化により、第8波においては高齢者の入院要請が多くなり、医療機関に入院できない場合や、入院までに時間を要する状況があったことは認識しています。医療機関の対応能力に差があるため、入院調整を依頼する際に患者の延命希望の確認を求められる状況がございまして、保健所がこれを尋ねる場合があることはやむを得ないと考えます。区では、入院を待つ間や施設内で療養する場合にも必要な医療が提供されるように、施設医や往診医と連携して支援しているところでございます。
 次は、施設におけるコロナ患者の受入体制についてのご質問であります。国は、現在移行後の諸課題に対する検討を行っておりまして、3月上旬に方針を示すとしております。東京都は、高齢者等の療養体制の確保や当面の間の臨時医療施設の継続を求めて要望を出しております。区としましては、国の方針を注視し、必要な場合は東京都と連携して国に要望していく考えです。
 次は、高齢者施設への財政援助についてのご質問であります。今年度介護施設等を対象とした物価高騰への支援事業を行いましたが、来年度の当初予算におきましても、継続した支援を実施する予定であります。引き続きこの支援事業の周知を図り、高齢者施設の経営を支えていきたいと考えています。
 次は、高齢者の生活困窮にかかる認識についてのご質問であります。高齢者の多くは、主に年金収入で生活しており、昨今の光熱水費をはじめとする諸物価の上昇や医療費の負担増により、厳しい状況にあると認識しています。
 次は、医療費負担増に対する支援策についてのご質問です。一定以上の所得がある方には、窓口負担割合の見直しにより従前より多くの負担をお願いしています。区の独自助成を行う考えはございませんが、外来の医療費につきましては、負担を抑える配慮措置が講じられておりまして、保険制度の中で適切に対応していく考えであります。
 次は、シルバーパスについてのご質問です。東京都シルバーパス事業につきましては、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者福祉の向上を図ることを目的として実施され、多くの方にご利用いただいております。東京都は、昭和55年より有料パスの交付を開始しておりまして、若年世代との負担の公平性や高齢者の収入状況に応じた応分負担の趣旨を踏まえて負担額を定めております。区としましては、必要な応分負担であると考えておりまして、引き続き高齢者の社会参加や移動支援を促す取組として、この事業について注視していきたいと考えています。
 次は、国民健康保険料の承認についてのご質問です。あさっての特別区長会総会において、令和5年度の国民健康保険料の料率が決定する見込みであります。医療給付費の増加、被保険者の減少など様々な要因が重なっており、保険料の値上がりは避けられない状況であると考えます。これまでも保険料の抑制について最大限の努力を講じておりますが、後年度への負担増を考慮いたしますと、引上げはやむを得ないものと考えています。
 次は、法定外繰入についてのご質問であります。一般会計からの法定外繰入につきましては、早期に解消するように国からも強く求められております。保険料の値上げを抑制することを理由とする繰入れを行うことは法定外であり、難しい状況であります。
 次は、子どもの均等割の減額拡大についてのご質問であります。国民健康保険料については、東京23区では統一保険料方式を採用していることから、区単独での助成事業を行う考えはないところであります。引き続き特別区長会を通じまして国と東京都に対し、子どもの均等割減額の対象拡大を求めていきたいと考えています。
 次は、統一教会の行政への介入を許さないためのご質問の中で、国との接点のあった団体の名称と内容についてのご質問であります。区では、昨年11月、区役所の全所属、学校、外郭団体を対象に、全国霊感商法対策弁護士連絡会が公表している統一教会及び関連団体77団体との接点と内容について、幅広く調査を実施したところでございます。調査の結果、区の主催事業への関わりや委託関係、助成金の支給などは認められなかったところでありますが、施設の利用などの接点はあったため、その内容についてを区のホームページで公開しております。したがいまして、特段これ以上の公表は考えていないところであります。
 次に、区の今後の方針についてのご質問であります。区では、旧統一教会及び関連団体による活動状況が社会的に問題となっていることを踏まえて、区として、その活動を擁護・容認するものではないことを明確にするため、対応方針を定め、取組を進めております。対応方針は、区の公式ホームページで公表しておりまして、今後も取組を着実に実行することによって被害の未然防止を図っていく考えです。
 次は、区独自の相談窓口の設置と国などの相談窓口の周知についてのご質問であります。旧統一教会関連の被害者救済につきましては、国が法テラスに相談対応窓口を設置し、相談内容に即して警察や各種相談等につなげているなど、総合的な問題解決を図っております。区では、消費者センターにおきまして、消費者被害のほか個別の相談内容に応じまして適切な相談機関を紹介しているほかに、ホームページやポスター掲示などによって法テラスの窓口も案内をしております。今後新たに相談窓口を施設する予定はございませんが、引き続き消費者問題に限らず、各種機関と連携し、区民に寄り添い、丁寧な被害者支援と未然防止に努めていきたいと思います。
 次は、板橋から軍備拡大反対の声をとのご質問であります。板橋区は、平和都市宣言の中で憲法に高く掲げられた恒久平和主義の理念に基づき、非核3原則を堅持し、核兵器の廃絶を全世界に訴えていくこととしております。1年にも及ぶロシアによるウクライナ侵攻などの紛争が続く世界情勢の中において、平和都市宣言を行った自治体の長として、一層、平和都市宣言が目指す平和な社会への希求の念を強くしているところであります。反撃能力の保有につきましては、外交・防衛政策の基本方針に基づく国家防衛戦略として閣議決定をしたものであるため、今後の国の動向を注視していきたいと思います。
 次は、蓮沼公園のトイレの洋式化についてのご質問であります。公園トイレの洋式化につきましては、約90か所と対象が多いために、設備の状態や利用状況、地域間のバランス等を考慮しつつ、順次実施しているところであります。蓮沼公園のトイレにつきましては、特段の支障が生じない限り、遅くとも令和6年度までに洋式化工事を完了する予定であります。
 続いて、蓮沼公園のトイレの清掃回数等についてのご質問であります。蓮沼公園のトイレの清掃は、利用頻度や便器数などの考慮をし、週4回を原則としておりますが、利用の支障となるような汚れが残る状況は確認がされていないところであります。引き続きサービスセンター職員による見回りや清掃受託者からの報告を注視してまいりますが、突発的な汚れや破損が発生した場合においては、その都度修理や清掃により対応してまいりたいと考えています。
 次は、蓮沼公園の滑り台についてのご質問であります。ご指摘の滑り台は、6歳から12歳を対象年齢とした製品でありまして、適齢の児童には遊び応えのある遊具になっております。蓮沼公園は、1,000平方メートル弱の敷地に防災倉庫、トイレ、桜などの樹木、ブランコなどの遊具を配置し、広場は町会の行事や子どもたちの運動に利用されております。このため安全基準を満たす余地がなく、遊具の新設につきましては難しいところでありますが、次の更新時期に向けましては、幅広い年齢層の利用を考慮した遊具についてニーズの把握に努めていきたいと考えています。
 次は、本蓮沼公園のトイレの場所についてのご質問であります。本蓮沼公園のトイレは、集会所や防災倉庫の建物に併設されておりまして、分かりにくく感じられることが原因だと考えられているため、外壁に見えやすいトイレサインを取り付けるなど、改良をしていきたいと考えています。
 次は、本蓮沼公園のトイレの洋式化についてのご質問です。本蓮沼公園のトイレにつきましては、集会所や防災倉庫等との併設となっております。本蓮沼公園内集会所や経営革新計画の公共施設のあり方検討に基づきまして、令和7年度までに施設の方向性を検討、調整、対応することとしております。このため現段階での洋式化は予定しておりませんが、あり方検討の結果、合築の場合でも単独の場合においても、誰もが使いやすいバリアフリートイレとして整備する予定であります。
 続いて、本蓮沼駅の自転車駐車場の利用区分の変更についてのご質問であります。現在本蓮沼駅周辺にある3か所の区営自転車駐車場は、いずれも当日利用と定期利用が混在しておりまして、慣れない利用者から分かりにくいとのご意見が出ております。このため4月以降、利用配分の最適化や電子化の推進と併せまして、利用者の分かりやすさを向上するために駅の東側を定期専用に、駅前を時間貸し専用に変更することといたしました。
 続いて、回数券の復活についてのご質問です。交通機関などの回数券は、乗車券購入などの手続の簡便化などを目的として活用されてまいりましたが、交通系カードなど電子マネーの普及とともに姿を消しつつあると感じております。区営自転車駐車場におきましても、人員を配置した時間帯以外使用できないなどの課題から、電子マネーに押されニーズが見込めないことから、廃止をしたものであります。今後、先進事例の状況や利用者からのニーズなどを参考に、回数券に代わる新しい電子サービスも視野に入れた利便性の向上に指定管理者とともに努めていきたいと考えています。
 次は、係員の配置についてのご質問であります。自転車駐車場の係員の配置人数につきましては、現在の管理運営委託でも、指定管理者との基本協定等でも、業務に必要な人員の配置を求めておりますが、従事者の人数までは規定していないところであります。一方で、指定管理の基本協定や業務水準書には、区内在住者、高齢者雇用への努力を定めているため、業務移行の混乱防止等を含めて、雇用拡大を引き続き指定管理者に要請していきたいと考えています。
 次は、優しいまちづくりの必要性についてのご質問であります。高齢者や障がい者からのまちなかで休憩できるスポットの設置要望については、認識しているところでございます。
 次は、最後のご質問になります。商店街等にベンチの設置をとの要望であります。道路上やお店の前などにベンチを設置する場合、道路管理上の制約のほか、土地の管理者や様々な関係者との調整が必要と考えております。区では、まちづくりを進めていく中で先進自治体の例も参考にしつつ、ベンチの設置のみならず、東京で一番住みたくなるまちを目指して研究をしていきたいと考えております。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

(教育長) それでは、小林おとみ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、小中一貫型学校の設置理由についてのご質問ですが、小中一貫型学校設置計画につきましては、地域・保護者の方々などで構成する魅力ある学校づくり協議会による協議を経て、進めてまいりました。工事に伴う児童の安全面や教育面の影響などを踏まえ、教育委員会がこれまで推進してきた小中一貫教育の視点を取り入れ、本協議会が意見書をまとめたものであります。教育委員会は、意見書を最大限尊重し、校舎の老朽化対応と工事中の教育環境を総合的に判断し、志村小学校と志村第四中学校を小中一貫型学校として整備することといたしました。
 次に、小中一貫型学校の設置計画についてのご質問ですが、現在、板橋区立学校の適正規模と適正配置に関する基本的な考え方について答申を頂くため、いたばし魅力ある学校づくり審議会を開催しているところです。本審議会では、小中一貫型学校の効果や配置のあり方について検討項目としており、先進自治体での具体的な取組や効果を見ながら意見交換を行っていただいております。今後の小中一貫型学校の整備につきましては、審議会の答申を踏まえ、いたばし魅力ある学校づくりプラン後期計画の中で考え方を示してまいりたいと思います。
 次に、小中一貫型学校と単独設置の小学校・中学校との違いについてのご質問ですが、区立学校では、学習指導要領や板橋区小中一貫教育ガイドラインに基づいた教育活動が行われているため、基本的な授業内容や学校活動について違いはないと認識しております。一方、施設一体型の利点を生かした学校活動の取組や成果につきましては、先進自治体から多岐にわたる例示が示されております。小中が効果的に連携を図れるしつらえであるという特徴を生かし、小中学生の交流による教育効果の高まりが期待されるところであります。
 次に、大規模集合住宅の建設により児童数増が予想される学校の対応についてのご質問ですが、大規模集合住宅の建設情報につきましては、区長部局と連携を図り最新の建設計画や土地取引情報の収集に努め、大規模な工場や企業用地の跡地活用について注視しているところです。大規模集合住宅の建設計画がある際には、住居タイプや戸数に基づき、東京都が算定した1棟当たりの子どもの出現率を用いて学校規模の予測を行っております。学級数の増加が予想される場合には、普通教室化する改修や増築などの施設整備、通学区域の変更などを総合的に検討し、判断してまいります。
 次に、志村小学校の移転についてのご質問ですが、現在、志村小学校における令和8年度までの児童数・学級数は横ばい、もしくはやや減少傾向であり、移転後も適正規模の学校となる見込みであります。志村小学校の現地改築は工事中の児童の安全性の確保や教育環境への影響が大きいという様々な課題があり、志村第四中学校と小中一貫型学校として整備することとなりました。小中一貫型学校設置計画を見直すことはございませんが、児童・生徒数の増や学習環境の変化に対する区民の不安を軽減するよう丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。
 最後に、統一教会の行政への介入を許さないために家庭教育支援についてのご質問ですが、制定の経緯は承知しているところはございませんが、家庭教育に関する条例を持つ自治体があるという事実は認識しているところであります。家庭教育は、一義的には保護者が子どもに対して行う教育であり、自治体は家庭教育の自主性を尊重するものと教育基本法で定められております。教育委員会では、このような趣旨を踏まえ、自主的に家庭が行う教育の向上という視点でその支援に取り組んでいるものであります。
 頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。

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