2023年第1回定例会 代表質問 いわい桐子区議

質問日:2023年3月6日

ただいまから日本共産党板橋区議会議員団を代表して代表質問を行います。

1、平和都市宣言に反する「戦争国家づくり」にストップの立場で発信を


 初めに、区長に平和都市宣言の立場で発信することを求めて質問します。
 岸田自公政権は、これまで歴代政府が「憲法9条との関係で持てない」としてきた敵基地攻撃能力の保有を「反撃能力」と名を偽り安保3文書の改定を閣議決定しました。さらに、GDP費1%以内を基本としてきた軍事費を5年後の2027年度には2%へと倍増すると表明しました。専守防衛を投げ捨てて、日本が攻撃されていなくても同盟国が攻撃されれば、先制攻撃ができる敵基地攻撃能力を持てば、日本が攻撃対象になることは政府も認めています。軍拡ではなく、アジアでの戦争をしない枠組みづくりこそ平和を守る道です。憲法9条擁護の一点で取り組む、全国首長九条の会は、住民の生命・財産を守る首長として、日本が再び戦争によって他国を侵略し、国民に惨禍をもたらすことのないよう、戦争放棄と戦力不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条を全力で守ることを呼びかけています。共同代表の川井貞一宮城県前白石市長は「戦争が起これば住民の命と安心は消し飛んでしまう。憲法9条を守ろう」と訴えています。そこで、区長に伺います。区長は、これまで国の安全保障に関することには一貫して「国の動向を注視する」と言い続けてきましたが、動向を見守っていては、住民の命を危険にさらしかねません。全国首長九条の会などに連帯し、憲法を遵守する区長として、軍備拡大ではない平和の道を進むことを発信すべきです。改選前において、区長の明確な見解をお示しください。国の新年度予算案の軍事費は、前年比26%もの増額です。政府は、巨額の軍事費を調達するために年金や医療の積立金流用、社会保障や教育費などを削ることも検討しています。軍事費2倍化のためには、かなりの削減をしないと軍拡予算を賄うことはできません。大軍拡のための財源確保は、どうやっても、厳しい区民の生活をさらに圧迫することにつながります。その影響について、区長の認識をお答えください。

2、暮らし最優先への転換を

⑴コミュニティを奪う「公共施設削減路線」の転換を
 次に、暮らし最優先への転換を求めて質問します。
 まず、公共施設整備についてです。区は、2013年に策定した、公共施設等の整備に関するマスタープランで「人口減と一層の財政制約」を理由に「公共施設の総量抑制方針」を掲げ、計画策定後に廃止した公共施設は、小中学校3校の廃校を含め78か所に及びます。2020年にピークを迎え、減少に転じると言っていた区の人口は増加を続け、2040年で61万人に達するとしています。人口増に合わせて公共施設の需要も増加します。人口減のために、今暮らしている区民に我慢を押しつけていては、東京一住みたいまちにはなりません。17か所の集会所を廃止した結果、区民からは「区の施設がいっぱいでなかなか借りられなくなった」という声が聞かれ、子どもの池と児童館の削減といこいの家全廃で子どもからも高齢者からも居場所を奪ってきました。500メートルメッシュにかかることを理由に廃止された蓮根第二集会所は、消防団の倉庫などの関係で簡単には売却できず、廃止された集会所の備品倉庫です。施設面積の抑制にもならず、集会所の機能廃止は住民の理解は得られません。将来的な人口減少を理由に、公共施設を削減してきたことにより、住民のコミュニティに与えた影響について区長の認識をお答えください。また、高齢者や子どもの居場所など新たな需要が増える中、需要に合わせた公共施設の必要量を改めて算定し、新たに増設する計画をつくるべきです。同時に、廃止後、倉庫などになっている施設は、住民が活用できるようにすることを求めます。1階にあった高島平五丁目第二公園内集会所の廃止で、この地域ではエレベーターのない2階の高島平四丁目集会所しかなくなり、足腰の悪い高齢者からは、集会所が使えないという声が上がっています。2階以上に設置されている区集会所でエレベーターがないところは、いまだ31か所もあります。区のユニバーサルデザイン推進計画では、改築・改修時期が来なければ、集会施設のバリアフリー化は進みません。また、集会所の障子やふすまの破れがいつまでも放置されていることや座布団や畳などの備品が古いことなどが指摘されてきました。高島平区民館ホールでも、マイクの接触不良で演奏中に声や音が聞こえなくなる状態が放置されています。利用料を徴収しておきながら、施設が改善されないことに対する不満の声は絶えません。2階以上の集会所に、エレベーターを設置する計画を策定し、住民のコミュニティの場におけるバリアフリーの推進を図ることを求めます。また、集会施設の設備更新や修繕などについて、利用者の声を把握し、一定の期間で計画的に改善を行うことを求めます。


 区は、公共施設整備方針によって、児童館を12館も廃止し、残る児童館は、乳幼児に特化し、小学生の利用制限で、本来0歳から18歳までが対象である児童厚生施設としての機能を後退させてきました。いたばし№1実現プラン2025で、児童館・ベビールーム・家庭福祉員の在り方について今年度中に結論を出す計画です。しかし、その検討は庁内だけで行われ、議会にも報告されず、検討過程は明らかになっていません。そこで区長に伺います。児童館・ベビールーム・家庭福祉員の在り方について、どのように考えているのかその方向性をお示しください。また、検討は、利用者や関係者の意見を聞き進めるべきと考えます。検討過程を公表することと併せて、区長の考えをお答えください。

⑵ 官製ワーキングプアを生んだ「アウトソーシング」の見直しを


 次に、アウトソーシングの見直しを求めて質問します。区は行財政改革の名の下、定型業務・窓口業務の委託化、指定管理者制度の導入、民営化等を次々と進めてきました。坂本区政の16年間で、指定管理者制度は、文化会館、区営住宅、地域図書館など、98か所もの施設に導入を進めています。10か所の地域図書館は、館長さえも1年契約の雇用で、司書など高い知識や専門性が求められる人も有期雇用であることが問題視され続け、全国では直営に戻すところも生まれています。区営住宅の計画的な修繕は、受託業者が扱う区外事業者が仕事を受けるため、区内事業者に仕事が回っていません。中台・志村のふれあい館では、区内事業者として加点をつけて選定した事業者が区外業者に吸収合併され、区内事業者ではなくなっています。区営駐輪場では、DXの名の下で機械化と高齢者の就労をてんびんにかけ、約100人もの就労削減と回数券の廃止です。指定管理者制度の導入で住民サービスの低下と官製ワーキングプアを生み、高齢者の就労を大幅に削減したことに対する区長の見解をお示しください。併せて、指定管理者制度を見直し、直営として施設運営を行う方針へ転換することを求めます。区の№1実現プラン2025の経営革新計画では、さらに公共サービスの民間開放を進めることを宣言しています。しかし、2021年5月に、国の会計検査院が発表したPFI報告書は、「財政的なメリットは大いに疑わしい」「割引率という財政的なメリットの計算に間違いがある」と、必ずしも財政効果があるとは言えないことを指摘しています。区でも、2019年に一部委託化した土木事務所を「災害時に委託職員は対応できない」ということを理由に直営に戻しています。委託業務では、災害時の対応が区職員と同様でないことは、土木事務所だけではありません。パンデミックなどの感染症拡大時の教訓も含めて、区が進めてきた民間開放の影響について検証し、さらなる民間開放は行わないことを求めます。


 区は新年度から、現在、再任用の職員が行っている3福祉事務所の窓口を委託するとしています。福祉事務所は、生活困窮者からの相談や生活保護について実施するだけでなく、障害者手帳交付や補装具など、障がい者福祉の役割も有しており、窓口業務は、区が言う「単なる受付の振り分け業務」ではありません。膨大な個人情報にも触れることになります。受け付けた相談を、誰に振り分けるのか判断し、つなぐことを委託すれば、偽装請負となりかねません。委託事業者の求人情報によると、正社員で基本給は月23万1,000円で期末手当もありません。生活保護、障がい者支援、児童福祉などを扱う福祉事務所の受付で、年収277万円の低賃金の方を働かせることになるのです。それは、区自ら官製ワーキングプアを拡大するということではありませんか。窓口委託を中止し、正規職員で配置することを求めます。


 区の区立福祉園の民営化に関する考え方が示されてから既に1年半が経過しています。最終報告後の利用者への説明会は、コロナを理由に延期され続けています。一方で、区の障がい者施設の整備は、大幅に遅れています。現在の福祉園では、就労支援B型の利用者が高齢化や重度化で、生活介護に移行したくても受皿がなく行き先がありません。さらに、これから卒業してくる人たちの受皿も充足しておらず、量を増やしていくことこそ、喫緊の課題です。しかし、今年3月に設置される予定だった板橋キャンパス跡地における障がい者施設整備は、資材高騰などの影響で一旦白紙となり、3年遅れです。区の障がい者計画2023における施設整備計画が予定どおり進まず、不足する施設の充足もないまま民営化計画だけを粛々と進める姿勢は問題です。区立福祉園の民営化方針の撤回を求めます。


 区は、これまで9園の区立保育園を民営化し、さらに6園の民営化計画を立てています。一方で、医療的ケア児の受入れが始まり、さらなるインクルーシブな保育環境の整備が期待されています。保育が必要な全ての子どもたちを受け入れるためには、区立園の役割がますます重要となっています。保育園経費の大部分が人件費です。つまり民営化は、公務員である保育士を民間の保育士へ置き換えることによる区の人件費削減です。さらに受託した企業がより利益を上げるために保育士の賃金を抑制し、保育士の給与が低賃金となる構造です。保育園の民営化によって、公的保育の低賃金化を拡大させることになるのではないでしょうか。区長の見解をお示しください。子どもを預かる保育でさらなる官製ワーキングプアを拡大させる保育園民営化方針の撤回を求めます。

⑶ 正規職員の抜本的な増員を


 次に、区職員の人員配置についてです。2021年度に年間超過勤務が360時間を超えた区職員は131人で、月45時間を超えた職員は357人です。これは、地方公務員法で認められる超過勤務の上限を超えています。第4期板橋区特定事業主行動計画では、「今後は、他律的業務や特例業務に従事する職員でも年間360時間を超えないようにする取り組みが重要だ」としています。区人事課は、超過勤務が4か月以上の職員に対し、超過勤務の多い原因をヒアリングし、所属長にフィードバックする取組を開始しました。取組を行った結果、どういう課題が明らかになったのでしょうか。また、その対策についてお示しください。


 昨年度の衛生監視職員が兼務発令で平均残業時間が年間872.5時間の過労死ラインを超えた状態に加え、平均休暇取得日数は年間6日という異常な勤務実態が明らかになりました。それは、感染拡大による業務急増に対し、不足する人員を部内で補う方針の下で発生しています。新年度も、感染拡大のときには派遣職員で対応するとしていますが、保健所の業務は区職員でないとできない仕事も多く、専門職も含めて抜本的な増員が必要です。そこで質問します。保健所は、新年度の人員が増員されていません。緊急事態の派遣の適用だけで長時間残業はなくなるのでしょうか。時には過労死に至るような働き方が是正されなくていいのでしょうか。


 この間の地方分権改革による事務の移管などで、区職員の事務量は増加傾向が続いています。とりわけ、児童相談所設置による事務量の増に対し、十分な人員配置とは言えません。放課後児童デイなどの管理や指導を担当する障がいサービス課では、児童相談所が設置された今年度は1名増員されたものの、新年度は増員がありません。各部署の増え続ける事務量に見合った人員配置がないことは、新たな長時間残業を生みかねません。長時間残業がなくならない実態は、区が言う「適切な定数管理」と言えるのでしょうか。事務量が増え、複雑な生活困窮への支援など、区職員が住民と向き合い、必要な事業を執行するには、十分な体制が必要です。正規職員の増配置で抜本的な体制強化を行うべきです。区長の見解をお示しください。


 今年度の区の障がい者雇用率は、2.45%で、国が定める法定雇用率2.6%に届いていません。区は、障がい者雇用を促進するため、新年度から庁舎内で仕事を経験するチャレンジ就労の受入人数や雇用期間の拡充を進めますが、それでも、新年度に法定雇用率は達成しない見通しです。そこで区長に伺います。区における障がい者の法定雇用率は、なぜ達成しないのですか。その課題と対策をお示しください。障がい者雇用を促進するためには、受け入れる各部署の人員配置が限界では対応できません。障がい者が共に働くことができるよう、受け入れられるだけの区の職員の増員を行うべきです。区長の考えをお示しください。

⑷ 基金積み上げと大規模再開発優先からの脱却を


 次に、基金積上げと大規模再開発についてです。坂本区長の就任当初323億円だった基金総額は、1,144億円となり、4期16年間で821億円も基金を積み上げました。区長が財政難を強調し、「現金給付は行わない」、新規事業は「3年限定」で、しかも「既存事業の見直し」を条件にしたスクラップ・アンド・ビルドを掲げ、年度当初から「契約差金は使うな」と号令してきた結果です。一方で、新年度予算概要には、大山駅周辺地区、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅周辺地区のまちづくり事業の進捗に伴い、歳出規模が増大することを示しています。現在、都市計画決定されている開発総事業費は、約1,473億円で、資材高騰の継続やこれから進めるピッコロ・スクエアと高島平地域を含めれば、多額の財源が必要となります。開発事業への多額の税金投入が区財政運営へ影響し、その結果、区民の暮らしへの財政出動が後回しにされるのではないでしょうか。区長は施政方針で「進展する駅周辺のまちづくりなど、多額の経費負担を伴う事業が継続する」と言いますが、まちづくりにおける多額の経費において何が懸念となるのか、お示しください。現在、都市計画決定されている開発事業に伴い、区道や公園など区が管理する公共の施設整備も行われます。土地や建物の買取りなども含めて、区単独の支出は1円もないのでしょうか。お答えください。


 国は国土強靭化の名の下に、大規模再開発を優先にして、日々の暮らしに関わるインフラ整備や災害対策を後回しにしてきました。国と都を挙げて開発に前のめりで進めています。都市計画決定されなければ、国や都の財政支援はなく、一定の規模がなければ道路整備やまちづくりは都市計画とは位置づけられません。こうして大規模再開発の道が誘導されてきたのではないでしょうか。都市計画決定を受けた都市計画事業と都市計画決定を受けていない事業において、国庫補助金や都補助金などの財源にどのような違いがあるかお示しください。大山の元公社住宅の都有地も、JR板橋駅前B用地も、タワーマンション計画です。旧高七小跡地への高層住宅などの建設も、公有財産をマンション建設に売り渡すものです。民間デベロッパーの言うままに、駅前開発はタワーマンションという考えを捨てて、住民ニーズである低廉な家賃で入居できる住宅こそ増やしていくべきです。大規模なタワーマンション計画を見直し、公営住宅は1戸も増やさないとする区営住宅再編整備基本方針を撤回し、区営住宅を抜本的に増やす方針を持つべきです。区長の見解をお示しください。区の計画でも介護保険事業の施設整備が計画どおり進まない原因の1つは、土地の確保です。障がい者施設も全く足りていません。なぜ公有地の活用において、介護施設や障がい者施設より、タワーマンションの計画が優先されるのでしょうか。公有地は、必要な福祉施設の活用を最優先にするべきです。


 都営新河岸二丁目アパートの建て替え計画は、第2期計画の説明会が4日後に予定されています。住民の不安は、第3期に予定されている保育園や商店などがどうなるのかということです。既に第1期の建て替えで、郵便局と電気屋さんが移転しています。住民は郵便局にバスで行かなければならず、さらに「スーパーやお肉屋さん、クリニックなどが撤退したら、どうやって暮らしていけばいいのか」と不安な気持ちで過ごしています。都営住宅内も店舗がなくなれば、新河岸地域には、2つのコンビニエンスストアしかなくなってしまい、買物難民を生みかねません。共産党区議団が行った1月13日の東京都への申入れの際、住宅ではない敷地に保育園や郵便局、店舗などが入れる建物を設置することを求めたところ、東京都は「移転した郵便局が戻りたいというなら検討する」「区が地域開発要項として挙げるなら検討する」と答えました。そこで区長に伺います。店舗などの廃業や移転で生活圏としての機能が大きく損なわれることに対する区長の認識をお答えください。都営住宅の敷地へ店舗棟などを建設するなど、東京都へ求めていただきたいがいかがでしょうか。また、区立新河岸保育園の今後の見通しについてお示しください。

⑸ 「貧困と格差」解消を正面から


 次に、貧困と格差についてです。区はいたばし№1実現プランを、コロナ対策とSDGs、DX、ブランド戦略を重点に見直すとしています。見直しは、区民の暮らしの実態に照らした検討が必要です。これまでの№1実現プランや区の計画には貧困の視点がなく、区民の暮らしに広がる貧困や格差を把握し、分析し、解決を図ることが位置づけられていません。そのため、喫緊の課題である自殺対策でも、自殺にたどり着く過程で多くの人が、経済的な困難を抱えていた実態をつかんでおきながら、その対策は、現状の仕組みを案内することにとどまっています。住宅マスタープランでも、20代の家賃助成を求める声や高齢者の公営住宅を求める声が示されたアンケート結果に応えていません。アクティブプランでも、女性の貧困や男女の賃金格差など、社会構造によって生み出されている経済的困窮に対する分析は示されていません。区職員が生活苦の実態を目の当たりにしながら、なぜ、区の計画づくりで貧困に対する分析や課題を正面から捉えられないのですか。経済的な支援に踏み込もうとしないのは、区の「現金給付は行わない」やスクラップ・アンド・ビルドという方針が足かせになっているのではありませんか。区長の考えをお答えください。当初予算に示される物価高対策は総額41億円のうち、区の財政支出は2割程度です。物価高にあえぐ区民や事業者に対し、区としてさらなる支援を行えたはずです。新型コロナ対策は総額50億円ですが、その中にはGIGAスクールなどコロナ対策とは言えないものも多く、区民や事業者への直接的支援は、産業融資利子補給の約4億円と住居確保給付金の約7,700万円だけです。区民の暮らしはいまだ深刻な状況で、経済的支援の拡充こそ必要です。区独自で現金給付などの経済的支援の実施を求めます。

3、気候危機対策は、原発ではなく再生可能エネルギー中心で


 次に、気候危機対策について質問します。
 気候危機は、日本に住む私たちにとっても、緊急に解決しなければならない死活的な大問題です。しかし、自公政権の2050年カーボンゼロは、削減目標が低すぎるだけでなく、大規模な石炭火力の建設を進め、他国への輸出も推進しています。さらに、電力不足などを口実に原発頼みのエネルギー政策を加速させようとしています。これは、東京電力福島第一原発事故後、原発の新増設を「想定していない」としてきた政府の立場を投げ捨てるものです。政府の基本方針には、4,000件近くの意見が寄せられ、その多くが原発に反対する声です。全国保険医団体連合会会長は「核の問題について、問題発生時の治療法は今の医学にはなく、無害化はできない。そんな核は人類は持つべきではない」と警鐘を鳴らしています。そこで区長に伺います。区長はこれまで原発について、政府の「可能な限り依存度を低減しつつも、引き続き最大限活用していくこと」を容認し、「エネルギー政策は国が示す」と自身の考えを示すことに背を向けてきました。しかし、一度事故が起きれば地方自治体も他人事ではありません。改選前の今、原発ゼロを願う区民に区長自身の考えをお示しください。世界全体で2040年代に、石炭火力を廃止することを求めたCOP26で、ヨーロッパを中心に46か国が賛同しましたが、日本やアメリカなどは賛同しませんでした。脱炭素対応の成否が企業の競争力に直結することから、東芝など国内企業も石炭火力からの撤退宣言が相次ぎ、日本政府の石炭火力の新増設方針の見直しも求められています。岸田政権の火力発電所新増設は、区の地球温暖化対策実行計画が掲げる、脱炭素社会を目指すとの考えと相反するのではないでしょうか。区長として、政府に対し、火力発電の新増設は中止し、再生可能エネルギー中心の対策にかじを切るよう求めていただきたいがいかがでしょうか。


 区長は、施政方針でも「ゼロカーボンシティを目指す」とし、再エネ電力導入施設及び電気自動車の庁有車を増やすとしています。その一方で、住民や事業者への支援は、財政的な支援から撤退したまま、環境アクションポイントなどの啓発事業に縮小してきました。区の地球温暖化対策実行計画2025におけるCO2削減は、削減数値の裏づけもなく、技術革新に依存したもので、気候危機への緊張感がありません。長野県飯田市のおひさま進歩エネルギー株式会社は、太陽光発電事業を通じて補助金6億円の3倍となる18億円の付加価値を生み出すことに成功しています。地域における地産地消のエネルギー自治を軌道に乗せれば雇用も地域経済も高まり、小規模な電源をネットワーク化することで、災害や事故に強く、原発事故のリスクもなく、温室効果ガスも排出しません。課題の高コストも技術の進歩で既存電源を下回り始めています。大都市では、エネルギー自治を1つの自治体で行うことは難しいですが、周辺の自治体と協力して、電力システムを構築することは可能と考えます。区の地球温暖化対策実行計画の目標を引き上げ、地産地消の再生可能エネルギーを管理するエネルギー自治を周辺自治体とも連携して新たな模索を始めるべきです。区長の見解をお答えください。再生可能エネルギー導入促進のため、区が廃止した新規大規模建築物への太陽光発電導入支援を太陽光以外の再エネ導入や既存住宅でも利用できるよう対象を拡大することや、個人住宅における再エネ導入も含め、新たな財政支援による再エネ促進事業を行うべきです。区として、既存の建物も含めて、大規模な建築物への再生可能エネルギーの導入支援を行うこと、また、既存の個人住宅における太陽光発電設備導入への補助制度の創設を求めます。

4、高齢者の尊厳まもる「介護」へ


 次に、介護の充実を求めて質問します。
 政府が、2024年度から始まる第9期計画において、利用料2割負担の対象拡大、多床室の有料化、一定所得のある65歳以上の人の保険料引上げなど、さらなる負担増を計画していることはとんでもありません。既に、利用料の負担とコロナの感染拡大の影響で、介護の利用そのものが減少し、給付は今年度も減額修正です。そのため、第8期の2年目である今年度末の介護保険準備基金は、既に35億円にもなります。2024年度から始まる第9期の介護保険料を基金の活用と区一般会計からの繰入れで引き下げるべきと考えます。区長の見解をお示しください。2017年から2021年のOECDデータによると、日本の高齢者の相対的貧困率はワースト8位で、多くの高齢者が経済的に厳しい状況にあります。私たち区議団のアンケート結果でも、経済的理由で介護の利用を控える人たちが38.5%に及んでいることが分かりました。必要な介護を抑制するということは、その分介護の家族依存がより深刻化しているのではないでしょうか。利用を控えることは、介護が不要ということではありません。区独自の利用料軽減策の実施を求めます。政府が介護離職ゼロを掲げて既に6年です。介護休暇や短時間勤務などで、介護を理由に仕事を辞める人は依然として大きな課題です。国の法改正で特別養護老人ホームの申込みから要介護1・2を締め出してもなお、板橋区内の待機者は、1,024人です。父親の介護が必要になった区内で飲食店を経営する50代の店主は、朝早くからの仕込み、お店が閉まる夜11時から翌日の準備を行う状況で、仕事を辞めて親を引き取るか頭を抱えたそうです。介護離職をなくすためには、在宅介護の支援を強化しつつ、いつでも待たずに施設入所ができる状況をつくらなければなりません。区の介護保険事業計画には、特別養護老人ホームについて計画値と実績値は並んでいるものの、待機者に対する施設の必要量や待機者をなくすための計画はありません。区は、特別養護老人ホームの待機者をいつまでに解消することを目指しているのかお示しください。保育同様、区として特養ホーム待機者ゼロを宣言し、その実現に向けた計画を策定すべきです。区長の考えをお答えください。

5、ジェンダー平等をあらゆる分野で


 次に、ジェンダー平等の発展を求めて質問します。
 世界経済フォーラムが昨年7月に発表した日本のジェンダーギャップ指数は、146か国中116位で、いまだに先進国の中で最低レベルです。ジェンダー平等社会をどのように実現するのか、誰もが尊厳を持って生きられる社会へどう進んでいくのかが問われる中、首相秘書官がLGBTQなど性的少数者や同性婚について差別的発言を行い、辞任に追い込まれました。同時に、岸田首相も「家族観や価値観、社会が変わってしまう」などと否定的な考えを示し、現政権の人権感覚に欠けた姿勢に批判が高まっています。また、夫婦同姓を法律で義務づけている国は、世界で日本だけです。婚姻の平等を求める人たちの願いに背を向け、個人の尊厳に反する姿勢を根本から改めなければ、ジェンダー平等は進みません。そこで区長に伺います。日本で同性婚や選択的夫婦別姓の法整備を進めるべきと考えます。区長自らの考えをお示しください。


 区特定事業主行動計画による、男性職員の育児休業取得率は、年々引き上がるものの26.9%にとどまっています。職員アンケートでは、男性が育児休業を取得しなかった理由は「自分のみが担当している仕事があった」との回答が多く、人員不足への不安が育児休業取得への抵抗感につながっていることが示されています。しかし、区の人的支援は、会計年度任用職員や任期付職員制度による代替要員の確保で、正規職員による代替ではありません。また、区管理職の女性職員の割合は、ほぼ横ばいです。そこで区長に質問します。区特定事業主行動計画における男性の育児休業取得率や女性管理職の割合などの目標を見直し、抜本的に引き上げること、その実現のため、いつでも欠員の補充は正規職員で行えるよう体制強化を求めます。2024年4月の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に向け、地方自治体は、2023年度中に基本計画の策定が努力義務として位置づけられました。この女性支援法は、婦人保護事業を売春防止法から切り離し、公的責任を明確にするものです。民間団体との協働、財政支援が明記され、当事者を権利主体として、人権回復のための具体的指針や性搾取の被害者も支援対象とし、支援が必要な女性へ出向き、探し、声をかけるアウトリーチの支援も求めています。区の計画策定は努力義務ですが、国や東京都の方針を待たず、区として女性支援法に基づく計画策定や事業の実施を積極的に示すべきと考えます。見解をお示しください。

6、ひとりひとりにゆきとどいた教育を


 次に、教育の充実を求めて質問します。
 昨年4月、文部科学省は2,558人の教員不足を認めました。教員の病気休職は大幅に増え、早期退職も止まりません。免許保有者は教員になることをためらい、多くの教育系学生が教職以外の道を選択することになりました。今、必要な予算をつけ、教員の働き方の抜本的な改善に乗り出さなければ学校は取り返しのつかないことになります。深刻な教育現場をもたらした要因は、教職員定数が増えていないことです。国は教員の必要数を確保するため、養成・採用計画を立てていましたが、2005年から行われなくなりました。現在では、毎年文科省と財務省の財政均衡で獲得する、実質上加配定数のみです。少子化を理由に教職員の定数増をほとんど行わない国の姿勢は問題です。そこで伺います。教員不足や教職員定数に対する教育長の認識をお示しください。教員の未配置問題は、板橋区も例外ではありません。今年度2月時点で産休、育休、病気休暇、病気休職による欠員181人のうち9人の補充がなく、補充された教員のうち40人が時間講師です。現場の教員は「無限の仕事に限界」、「今日も声をかけられなかった子どもがいたことに毎日自己嫌悪」、「子どもを見たくてもひとりで見られる人数じゃない」と話します。教職員の自己犠牲の上に成り立つ教育はもはや限界です。区教委が2021年10月に発表した、区立学校における働き方改革に関する実態調査では、およそ5人に1人が上限時間の原則を超え、休憩を全く取得できていない教職員が48%、仕事を自宅に持ち帰ることがある教職員は57%です。ICカードタッチ後に30分以上の業務を行う教職員も35%で深刻な実態です。しかし、区教委の働き方改革プランの新規事業は、持ち帰り業務は行わないという原則やICカードの適正利用の周知徹底など意識改革に重きが置かれています。現場が求める人的支援に応えるどころか、ICT支援員配置を理由に、学力向上専門員を削減し、2020年度比で新年度は、34人もの削減です。そもそも役割の違う学力向上専門員とICT支援員の配置を取り合うこと自体が問題です。多忙な教職員が困ったときに対応するためには、ICT支援員も現在の各校週1回から2回の配置では十分ではありません。学力向上専門員を必要な人数配置すること、ICT支援員は各校1人ずつ配置し、いつでも教職員の支援が対応できるよう体制強化を求めます。


 不登校の児童・生徒数が全国で過去最高を更新したことを受けて、文部科学大臣は、今年度中に総合的な不登校対策をとりまとめる方針です。その方向性は、全ての不登校児童・生徒の学びの確保、SOSを見逃さない支援、安心して学べる学校にする、不登校を科学的に把握すると言います。区立小中学校における不登校児童・生徒数は、2年間で小学校112人、中学校で70人も増加しています。なぜ不登校児童が増えるのか、区教育委員会として分析を行うことが必要です。中でも不登校の学校に係る主たる要因は、最も多い友人関係と同様に学業の不振が小学校でも中学校でも増加しています。それは、区教委の不登校当事者への聞き取り調査でも「なんとなく」、「人間関係」に次いで、「勉強が分からなくなった」の回答が多いという結果にも表れています。そこで教育長に伺います。教育委員会は、分からなくなっていることがつかめるように読み解く力や少人数授業を進めていると言ってきました。それでもなお、なぜ「勉強や授業が分からない」と言う児童・生徒が増加しているのか、なぜ、現場で児童・生徒のつまずきや悩みに気づくことができないのか、教育長の見解をお示しください。


 教育長は、学力向上を理由に全校で板橋区授業スタンダードの徹底を掲げ、推進してきました。その内容は、教育広報、教育の板橋に書かれるように、①学習課題・目当ての設定、②児童生徒が自力で問題解決、③考えを共有し、集団で問題解決、④まとめ・振り返りです。これは、目標を掲げてゴールを目指すことを示し、問題は自力で解決、解決するのは集団で連帯責任とうたうもので、学びや学校生活に自己責任を押しつけることになるものではないでしょうか。分からない子が置き去りにされていませんか。板橋区授業スタンダードの影響について教育長の考えをお示しください。


 子どもたちにとって学校が行きたい場所になるためには、困ったときに相談できる、悩んでいるときに気づいてくれる学校が必要です。それは、教員1人が抱える子どもの人数を少なくし、学校の規模を小さくすることが一番の近道です。しかし、区教育委員会が設置し、検討を進めている適正規模・適正配置審議会では、教育上望ましい学校と学級規模について、中学校は最大15学級としていた基準を18学級に増やし、1クラスの人数は具体的な数字を明記しない方向で検討しています。その理由は「科目によっては偶数学級の方がやりやすい」、「区独自に教員を雇用できない」などと、大人の都合ばかりです。学級規模は明記しないとした小委員会報告を受けた第3回審議会では、「1学級当たりの人数について、教育上望ましい規模を明記すべき。5年後、10年後を見据えたときに子どもたちのことを考えて理想を掲げることは重要であり、経費をかけてでも実現を目指した方がいい」との発言もありました。そこで教育長に伺います。教育委員会は2012年審議会答申の、学級規模を小学校は20人から30人、中学校は30人から35人が教育上望ましいと定めた理由を「生活指導面での課題の複雑化への対応、学習・言語・体験活動の充実を図るため」としてきました。今後も、教育上望ましい学級規模を掲げて教育予算を増額しても推進していくべきと考えます。教育長の見解をお答えください。


 岸田自公政権が打ち出した子ども予算倍増について、倍増の言葉だけ先行させる無責任さが混乱を招いています。内閣府が2020年度に行った少子化社会に関する国際意識調査によれば、日本では育児支援の最重要政策は「教育費の支援、軽減」との回答が69.7%と最も高く、教育費負担の抜本的軽減こそ中心に据えるべきです。OECDが昨年10月に発表した、国内総生産に占める教育機関への公的支出の割合が日本は2.8%と低く、ワースト2位であることが示されました。日本の教育予算が低いことに対する教育長の認識をお答えください。とりわけ、義務教育にかかる私費負担の軽減は待ったなしです。23区でも葛飾、中央、台東、品川、世田谷、北、荒川の7区で学校給食の無償化実施が発表され、杉並区では就学援助の支給対象の拡大、足立区では、区独自の給付型奨学金制度に踏み出します。義務教育における学校給食や教材費などの私費負担の無償化を進めるべきです。また、大学・専門学校への進学費用や通学費などへの支援実施を求めます。教育長の考えをお示しください。


 以上で、日本共産党の代表質問を終わります。

(区長)それでは、いわい桐子議員の代表質問にお答えいたします。
 最初は、軍備拡大でない平和の道への発信についてのご質問であります。政府は厳しさを増す安全保障環境に対応するため、日本国憲法、国内法、国際法の範囲内で防衛3文書を改訂し、非核3原則、専守防衛を前提として防衛力強化の方針を示しております。国家の外交・防衛政策は国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、国会における十分な審議を経て政府が判断すべきものと認識をしております。したがいまして、平和都市を宣言した自治体の長としましては、様々な平和事業や機会を通して、戦争の悲惨さや平和の尊さを発信していくことが重要であるものと考えています。


 次は、軍拡による財源確保の影響についてのご質問であります。防衛力強化の方針により、政府は防衛力整備計画に基づき、防衛費を増額する計画を示しております。その財源に関しましては、国民負担をできるだけ抑えるように検討しているとしておりまして、今後も国民生活に配慮した財源確保の方策の検討が進められるものと認識しています。


 次は、公共施設削減の影響と見直し等についてのご質問であります。公共施設の再編においては、現在及び将来の需要や適正配置などを踏まえて、コミュニティへの影響に配慮しつつも、やむを得ず廃止する施設がある一方で、未来へ継承していく施設のサービス・機能向上も図っておりまして、住民福祉の向上に成果を上げているものと認識しています。新たな行政需要に対しましては、総量抑制を基本に、既存施設の集約化や機能再編・統廃合、複合化による有効活用を図るほか、公民連携などで対応を検討していく考えであります。また、廃止施設の跡地活用に当たりまして、庁内で他に需要がない場合において倉庫として利用するケースがありますが、新たな需要に鑑みて、必要があれば倉庫需要と調整しながら、さらなる有効活用を検討していきたいと考えています。


 次は、区民集会所の施設設備についてのご質問であります。区民集会所は、築30年以上の施設が大半となり、老朽化が進む中、集約や複合化によりまして機能及び利便性の向上に取り組んでおります。エレベーターに関しましては、構造上、設置が困難な施設もあるために、利用者の声を踏まえて手すりの設置や段差の解消など、バリアフリーに配慮した改修を行ってまいりました。引き続き、施設整備につきましては、定期的な保守点検に基づきまして計画的な改修や設備更新を行い、区民にとって利便性が高く、より利用しやすい施設を目指していきたいと考えています。


 次は児童館・家庭福祉員・ベビールームの在り方検討についてのご質問であります。児童館・家庭福祉員・ベビールームにつきましては、№1プラン2025の経営革新計画に基づき検討を進めておりまして、その方向性につきましては今後お示しする予定であります。検討に当たりましては、子育て応援アプリを活用して子育て世代にアンケートを行うなど、区民の声を聞くことに努めてまいりたいと考えています。


 次は、指定管理者制度導入による影響についてのご質問であります。指定管理者制度は、民間の優れたノウハウを活用し、区民サービスの向上を図るとともに、最適化した財源や人材を新たな行政需要に活用することを目的に実施をしております。制度導入施設については、モニタリングや評価の中でサービス水準や労働関係法令の遵守状況などを確認し、必要な改善を行い、適正な運営状態を確保しております。引き続き、指定管理者制度導入の効果を確認をしながら、民間活用を進めいきたいと考えています。


 次は、民間開放の廃止についてのご質問です。災害やパンデミックを含めて区が直面する危機や課題を乗り越え、区民が安心して暮らせる社会を実現するには、区単独ではなく様々な民間事業者等と協力をし、区民サービスの充実を図っていく必要があると考えます。区による民間活用については、定期的に効果等を検証するとともに、区民サービスの向上等が見込める分野においては積極的に展開をしていきたいと考えています。


 次は、福祉事務所の窓口委託についてのご質問であります。生活に関する幅広い相談を受ける、いたばし生活仕事サポートセンターの分室を赤塚、志村の各福祉事務所に設置するに当たりまして、受付業務を委託化することといたしました。委託事業者は、業務責任者を配置することによって指揮命令系統を明確化しておりまして、かつ、生活保護の相談や障がい者サービスについては区職員に引継ぎ、従来どおり対応する考えであります。既に板橋福祉事務所において区との連携を図っておりまして、新たにアウトリーチ機能を兼ね備えることによって、ワンストップ窓口として充実をした相談体制を構築したいと考えています。


 次は、区立福祉園の民営化についてのご質問であります。板橋キャンパスにおける障がい者施設において実施を予定しておりました、短期入所と児童発達支援について、現在、早期の開設を目指して取り組んでいるところでございます。また、新たに生活介護を加えサービスを拡充するなど、障がい者及びご家族が地域で安心かつ幸せに暮らせるための施設整備を検討しているところでございます。区立福祉園の民営化につきましても、障がい福祉サービスの向上に向けまして、当事者や事業者と丁寧な調整を図り検討を進めていきたいと考えています。


 次は、民営化後の保育士の賃金についてのご質問であります。区立保育園を民営化する際には、保育士の雇用環境を確認するため、応募事業者から常勤保育士の平均給与月額や各種手当などに関する資料の提出を求めて審査を行っています。また、保育士の処遇改善を目的として、令和4年2月に創設をされました処遇改善臨時特例事業が公定価格に反映され、私立保育園等における賃金改善の継続性が担保されております。賃金水準の決定については、事業者の経営判断によるものでありますが、保育士業務の特性や重要性を踏まえて適切に対応されるものと認識しています。


 次は、民営化方針についてのご質問です。平成30年度に策定いたしました、公立保育所の民営化ガイドライン及び令和元年度に策定いたしました、公立保育所の再整備方針に基づきまして、引き続き、民営化を進めていきたいと考えています。


 次は、超過勤務の多い職員への人事課ヒアリングについてのご質問であります。区では組織的な支援や業務の効率化により、超過勤務の改善が見込める職員に対して第三者の視点から人事課がヒアリングを行い、各所属とともに課題解決を図る取組を実施しています。若手職員を中心に聞き取りを行った調査、職員間の相互協力意識の醸成や働き方改革を踏まえた業務改善の取組、パソコンスキルの活用などに課題が多いと認識しています。人事課が各所属長と職員をつなぐパイプ役となり、現場からは見えにくい職場の課題を発見、共有することによりまして、多角的な視点で超過勤務の縮減を図っていきたいと考えています。


 次は、保健所職員の増員についてのご質問であります。これまでも保健所の体制強化に向けまして、感染症対策課の新設や保健師を含む職員の大幅な増員、派遣職員の活用、感染者数を指標とした全庁的な支援体制の構築などによりまして、業務継続体制を繰り返し最適化してまいりました。昨年末をピークにした第8波での時間外実績は従前と比べて大幅に減少しておりまして、引き続き状況に応じた柔軟な組織対応を講じながら、職員の負担軽減を図っていきたいと考えています。なお、新型コロナウイルスは、5月8日に季節性インフルエンザと同等の5類感染症へと移行する予定でありますが、令和5年度も現行どおりの充実した職員定数を確保していきたいと考えています。


 続いて、適切な定数管理と正規職員の増員についてのご質問であります。職員の定数管理につきましては、限られた人的資源を真に必要な事務事業に効率的・効果的に配分するため、全ての課におきましてあらゆる角度から業務量を厳密に算定をし、人員を配分しております。引き続き、働き方改革や業務の不断の見直しに加えまして、行政手続のデジタル化やオンライン化の推進による業務執行体制の変化なども見据えて、行政需要に応じた職員配置と定数の適正化に努めていきたいと考えています。


 次は、障がい者雇用率の達成についてのご質問です。障がい者を対象とする採用選考により、任期の定めのない常勤職員を積極的に採用しておりますが、内定辞退者の発生や予期せぬ退職もございまして、法定雇用率は未達成の状況にございます。単年度の採用は一定数にせざるを得ないところでありますが、採用前の面談や作業体験に基づき、障がいの特性や適性のある職務を見極め、配置に向けた支援体制も整えることによりまして、令和2年度以降の採用者の定着率は100%を達成しております。また、障がい者が配属される所属には状況に応じた過員配置をし、定期的な面談や勤務状況の確認によりまして職場環境の改善に努めており、チャレンジ就労の枠を増やすことと併せまして、法定雇用率の達成を目指してまいりたいと思います。


 次は、まちづくり事業における懸念事項についてのご質問であります。大山駅周辺、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅西口地区などの再開発事業が現時点で同時並行的に進捗をしておりまして、令和5年度予算においては81億円余の多額の予算を計上しております。再開発事業は都市計画事業でありまして、国庫補助金の市街地再開発事業費補助金などに加え、都補助金である都市計画交付金の収入が見込まれる事業でもあります。しかしながら、区としましても38億円余を一般財源として負担をすることとなり、区負担額の増減が各年度の予算編成に大きな影響を及ぼすため、その動向を十分に注視していく必要があると考えています。


 次は、再開発事業などの都市計画事業の区の負担についてのご質問であります。市街地再開発事業及び連続立体交差化事業は東京都の都市計画交付金の対象事業となり、土地建物の買収経費も交付対象となっております。都市計画交付金は、国庫補助金などの特定財源を控除した区負担分の概ね25%が事業年度に交付され、残りの75%につきましては翌年度以降、財政調整交付金の基準財政需要額に4分の1ずつ4年間にわたり算入され、一般財源である普通交付金として交付されることとなります。都市計画事業認可前などの関連経費につきましては区が負担をしているものの、都市計画交付金の対象事業におきましては、計画区域内における事業費の区負担分は最終的には措置されることとなっております。


 次は、都市計画事業における財源についてのご質問であります。都市計画事業につきましては、都市機能の更新や都市防災等に重要な役割を果たす公共性の高い事業でありまして、国庫補助金の交付対象となっております。また、都補助金につきましては、都市計画事業のうち、都市計画道路整備事業、都市計画公園整備事業、市街地再開発事業、連続立体交差化事業を含む8事業が、東京都の要綱において都市計画交付金対象事業として定められております。一方、都市計画事業の対象とならない場合には、同等の財源措置は見込めないところでございます。


 次は、板橋区営住宅再編整備基本方針を撤回すべきとのご質問であります。板橋区営住宅再編整備基本方針は、区営住宅とけやき苑の再編整備に関する基本的な方針を定めて、将来にわたって安定的、継続的に整備供給することを目的としております。現在、この方針に基づく供給戸数を維持していくために、区営住宅の再編整備に取り組んでいるところでございます。


 続いて、福祉施設を優先した公有地活用についてのご質問であります。公有地の活用に当たりましては、取得した経緯や土地の持つポテンシャル、区政全般にわたる課題及び地域課題、まちづくりの状況などを総合的に判断をいたしております。これまでも区有地におきまして、民間活用による保育所や介護・福祉施設の整備を進めてきておりまして、東京都においても都有地を活用し、福祉のインフラ整備を進めているところでございます。今後も引き続き、将来を見据えながら適宜、適切に課題に対応し、住民福祉の向上を図るために公有地を最大限に有効活用していきたいと考えています。


 次は、新河岸二丁目団地の建替えに関係いたしまして、生活圏の機能が損なわれることについてのご質問であります。新河岸二丁目は都市計画上、郵便局、店舗、クリニックなど、一定規模までは建築できる地域となっております。また、区としましては、居住地の近くに生活に必要な施設があることが望ましいと考えています。しかしながら、生活に必要な店舗等は経営的視点や東京都の判断など、本地において施設経営の条件がそろうことが現状では難しいものと認識しています。


 続いて、都営住宅敷地への店舗等建設等の要求についてのご質問であります。新河岸二丁目団地の建替えは既に計画が進捗しておりまして、これまでにも東京都の地域開発要綱に基づきまして区として意見を上げていることから、改めて要望する予定はないところであります。


 次は、新河岸保育園についてのご質問です。区立新河岸保育園につきましては、地域の就学前人口の動向や保育需要を踏まえて、公立保育所の再整備方針に基づきまして保育所用地の必要性について検討を進めていく考えであります。東京都の財産であります団地の敷地内に区の保育所用地を確保するには慎重な判断が必要であり、その方向性がまとまった段階において東京都と協議を行う予定であります。


 次は、計画における貧困対策についてのご質問であります。区では貧困問題に対し、様々な経済的支援と相談支援及び自立支援等の対策に取り組み、特に子どもの貧困対策は№1プランの戦略事業に位置づけてまいりました。課題分析や対策の充実につきましては、総合計画及び個別計画のPDCAサイクルの中において、効果的な施策を検討してまいりたいと考えています。


 続いて、経済的支援を行わない理由についてのご質問です。事務事業のスクラップ・アンド・ビルドは財政運営指針に基づきまして、新規事業などの実施に当たり類似・重複事業の整理統合を図り、事務事業の新陳代謝の促進を目的としております。また、経営刷新計画の考え方に基づきまして、行政経営における生産性の向上と質の高いサービスの提供を行うため、原則、現金給付事業を行わない方針といたしました。いずれも財政環境の変動時において、区民サービスの安定的な提供など行政の継続性を堅持しながら、持続可能な区政経営を推進するための考え方であり、今後ともこの方針を踏襲していきたいと考えています。


 次は、区独自の経済的支援の実施についてのご質問であります。現金給付など区独自の経済的支援につきましては、今後とも区民の生活実態や区内事業者の経営状況を十分に見極めた上で、総合的に判断してまいりたいと思います。


 次は、原発に対する区長自身の考えについてのご質問であります。昨今の国際情勢やエネルギー事情を踏まえた上で、何よりも国民の生活と我が国の経済を支える電力の安定供給のため、再生可能エネルギーの主力電源化を目指しつつ、安全性を最優先に原発を活用すると判断をした国のエネルギー政策に対して、意見を申し上げる立場にないものと考えています。


 続いて、火力発電所新増設中止の政府への要望についてのご質問であります。昨年の2度にわたる電力需給逼迫を受けて、調整力の要となるベースロード電源の重要性を認識したところでございます。今後、ますます再生可能エネルギーの導入が拡大する中、電力の安定供給に向けた調整力の要となるベースロード電源の主力である火力発電所の整備について、政府に対し意見を申し上げる立場にないと考えています。


 次は、板橋区地球温暖化対策実行計画の目標引上げと周辺自治体と連携したエネルギー自治についてのご質問であります。現在の板橋区地球温暖化対策実行計画における目標値は、国の国際公約である2050年カーボンニュートラルの実現を受けたものでありまして、現時点で変更する考えはないところであります。一方、ご提案のございましたエネルギー自治につきましては、再生可能エネルギーのさらなる導入に向けた1つの手段として参考にさせていただきたいと考えています。


 続いて、大規模建築物への再生可能エネルギー導入支援と既存住宅への太陽光発電設備導入補助についてのご質問であります。東京都では、太陽光発電設備導入に対する手厚い補助事業を行っておりまして、新たに住宅太陽光発電初期費用ゼロ促進事業や太陽光発電及び蓄電池のグループ購入促進事業など、再生可能エネルギー導入拡大に向けた多くの支援を実施しております。区としましては、適切な役割分担の下、太陽光発電設備導入に係る補助事業の周知に努め、区民・事業者の意識改革、行動変容を促す、いたばし環境アクションポイント事業に注力をしていきたいと考えています。


 次は、介護保険料の引下げについてのご質問であります。後期高齢者人口の増加などによって介護給付費の増大が見込まれる中、保険料が下がる要因は見当たらない状況にございます。第9期につきましても第8期の基準保険料額設定時と同様に、一般会計からは法定繰入として介護給付費準備基金の活用を図りながら、保険料の抑制に努めてまいりたいと思います。


 次は、区独自の利用料軽減策についてのご質問であります。介護給付費の増大が予測される中、公費として区が担うべき負担は重くなり、区独自の軽減措置の導入は難しいものと考えます。一方、負担限度額認定など、既存の介護保険制度には生計困難者に対する利用料軽減措置が用意されておりまして、これらの制度活用の周知に努めていきたいと考えています。


 次は、特別養護老人ホームの待機者解消についてのご質問であります。特別養護老人ホームをはじめとする介護施設サービスの供給につきましては、介護保険事業計画において需給状況を分析をし、必要な量を整備することとしています。特別養護老人ホームにつきましても、引き続き計画的に必要とされる量を見極めて整備に努めてまいりたいと思います。


 次は、同性婚や選択的夫婦別姓の法整備についてのご質問であります。日本国憲法は同性婚の成立を認めることを想定していないために、現行の民法や戸籍法は同性婚を前提とせず、異性婚としていると認識をしております。一方において、夫婦同氏制度は憲法に違反していないと、最高裁大法廷において平成27年と令和3年の2度にわたり判示されております。いずれにしましても、個人の尊厳と家族の在り方の根幹に深く関わる問題であるため、幅広い国民の理解のもとに国会で十分議論がされ、判断すべき事項であると考えています。


 次は、特定事業主行動計画の目標引上げについてのご質問であります。第4期板橋区特定事業主行動計画においては、男性の育児休業取得率が目標値を上回ったため令和5年度から引上げを行うとともに、育児休業の取得意向確認など新たな取組を追加する予定であるとしております。女性管理職の割合など残る7つの目標値の見直しについては、目標達成のための取組を強化していく中において適宜検討していきたいと考えています。育児休業の代替要員を全て任期の定めのない常勤職員とすることは困難でありますが、代替要員の定数である保留定数を本年度から20名増の100人へと拡充をしておりまして任期付の育休代替職員と併せて活用していきたいと考えています。


 次は、困難女性支援法に基づく区の基本計画策定についてのご質問であります。いたばしアクティブプランは、ジェンダー平等を第一の柱立てとして策定をしておりまして、これまで女性活躍推進法や配偶者暴力防止法を取り込む形でプランの充実を図ってきております。令和6年4月に施行予定であります困難女性支援法は、いたばしアクティブプランで掲げるめざす姿のほか、多様な支援を包括的に提供する点で地域保健福祉計画とも親和性が高いために、同様の対応を図るべく、関係部署による協議を開始しております。


 最後になります。大学生、専門学校生への支援についてのご質問です。給付型奨学金につきましては、社会福祉協議会及び日本学生支援機構が国を通じて実施をしておりまして、区が独自に実施をすることは考えていないところであります。大学生、専門学校生への支援につきましては、社会情勢を見極めて、必要とされる支援を検討していきたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。

〇(教育長) それでは、いわい桐子議員の教育委員会に関する代表質問にお答えします。
 初めに、教員不足や教職員定数に対する教育長の認識についてのご質問ですが、令和3年度、月45時間を超えて残業した区立学校教職員は、小学校で20.1%、中学校で28.4%であり、月当たりの残業時間は平均26時間で、勤務環境は過重労働であると認識しているところです。過酷な労働条件が教員の成り手不足の原因の1つとなっていると推察され、教員の働き方改革を一層推進していくことが肝要であると考えております。教職員定数につきましては、東京都教育委員会が決定するものでありますが、板橋区教育委員会も、学力向上専門員や学校生活支援員等を追加配置するなど、教員の負担軽減と勤務環境の改善について取り組んでいるところです。


 次に、学力向上専門員の配置についてのご質問ですが、学力向上専門員は、学力の定着や個に応じた学習の推進等のため、学校規模など各学校の状況に応じて配置しているところです。学校に配置する人材につきましては、その効果を検証し、財政状況に鑑みながら、適切な人員配置に努めてまいりたいと思います。


 次に、ICT支援員についてのご質問ですが、GIGAスクール構想の推進に伴う令和3年度以降のICT支援員派遣拡充により、ICT機器を活用した授業改善や業務のデジタル化が進んできていると認識しています。教育委員会は、ICT支援員の派遣回数を単に増やす以上に、学校や教員ごとの活用状況を把握・分析し、授業力向上や業務効率化のための支援を行うことが重要と認識しております。今後は、今年度から取り組んでいる特別支援学級へのICT支援員の重点派遣も含め支援内容全体を改めて評価し、学校への効果的なICT支援を検討してまいりたいと思います。


 次に、不登校の要因についてのご質問ですが、令和3年度、板橋区不登校の状況に関する調査によりますと、不登校の要因が学業の不振である児童・生徒の割合は、令和2年度では不登校児童・生徒の5.7%、令和3年度では6.2%であり、若干増えたことは認識しているところです。一方で、全国学力・学習状況調査等において、8割程度の子どもたちが「話合いにより考えが深まった」、9割以上の子どもたちが「ICT機器を使った授業が分かりやすい」と回答しています。児童・生徒の学習のつまずきや悩みに気づくように、一層きめ細かく取り組む必要性を認識しており、今後も各教員が一人ひとりに寄り添った指導を行うよう努めてまいりたいと思います。


 次に、板橋区授業スタンダードの影響についてのご質問ですが、板橋区授業スタンダードは全ての児童・生徒が分かる、できる、楽しい授業を目指しています。そのため、板橋区立学校ではお互いの考えや意見を伝え合い、協働しながら最適解を見つけ、問題解決する授業を行っているところです。本取組の導入が、教員の授業力及び児童・生徒の学力の向上に寄与し、全国学力・学習状況調査において、平均正答率が国を超える成果も出ています。今後も、板橋区授業スタンダードを全校で徹底し、誰一人取り残さずに、全ての児童・生徒のさらなる学力向上を目指してまいります。


 次に、望ましい学級規模についてのご質問ですが、区立学校の適正規模につきましては、現在、審議会で議論いただいており、一人ひとりの子どもの教育環境の充実が必要であるという観点から、様々な意見を頂いているところです。審議会では、少人数授業の展開や人員配置の拡充などにより、円滑な学校運営と細やかな指導が既に行われているという議論がございました。また、子どもの成長には一定集団の中で、様々な人や考えに触れ合い、協力し合うことを通して、社会性などを広く身につけることが重要であるとも確認されております。1学級当たりの人数は明記しないという方向性で審議が進んでおり、今後も一人ひとりに寄り添った子ども主体の教育環境の整備に向けて、しっかりと審議を重ねていただきます。


 次に、日本の教育予算についてのご質問ですが、OECDが昨年10月に発表した2019年時点におけるGDPに占める教育機関への公的支出の割合が、データのある37か国中36位であったことは認識しているところです。一国の教育費の支出割合は、その国における公教育の社会的便益に対する意識の違いによるところがあり、また、その国際順位と教育水準は必ずしも一致するものではないと認識しております。しかし、日本の教育費におきまして、現水準からの上積みがあれば、教育の質をさらに上げることが十分可能であるため、これからも教育予算の国際水準までの引上げを国に求めてまいりたいと思います。


 最後に、義務教育の完全無償化についてのご質問ですが、学校給食費につきましては、生活困窮家庭に対する就学援助などの経済支援や食材料費高騰に伴う給食費の上昇を抑制するため、公費による飲用牛乳の購入事業を実施しているところです。教材費につきましても、就学援助や生活保護で、生活困窮家庭への支援を行っており、これらの支援から保護者の負担軽減が図られていると認識しているところです。義務教育における私費負担の無償化につきましては、現在の生活困窮家庭施策を継続しつつ、国や東京都の動向を注視してまいりたいと思います。
 頂きました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。

一覧へ

検索