第9期介護保険料を引き上げないよう努力を求める陳情に、賛成する討論

討論日:2023年12月14日

 ただいまより、日本共産党板橋区議団を代表し、陳情第37号「第9期介護保険事業計画に関する陳情」に賛成する立場で討論を行います。

 本陳情は、2024年度~2026年度の3年間となる第9期介護保険料を引き上げないよう努力すること、介護保険事業への国庫支出割合を引き上げること、利用料2割の対象拡大はやめるよう国に意見すること、区として在宅で重度の介護を担う家族への経済的支援を求めています。

 陳情に賛成する第一の理由は、すでに高すぎる介護保険料のさらなる負担増を行うべきではなく、むしろ負担軽減こそ実施すべきだからです。

 介護保険料は、3年ごとの計画改定の度に引き上げられ続けてきました。

 委員会質疑の中で、介護保険課長から第8期計画の最終基金残高は約35億円の見通しであることが答弁され、35億円全額投入しても、第9期介護保険料の引き上げを押さえられない見通しが示されました。保険料を値上げしないために自治体ができることは法定外繰入の額を引き上げるしかないということです。

 区は、2016年の会計検査院報告が『今以上の法定外繰入は公平性の観点から適当ではない』と指摘していることを上げて、現在の12.5%を超える法定外繰入はできないと説明しています。

 しかし、実際に、第7期から8期への移行の際、23区では7区が保険料を据え置き、4区は保険料引き下げを決断しているではありませんか。板橋区でもできないはずがありません。

 そもそも、高齢者数が増加し、介護の需要が上がっていくことは、制度開始当初から分かっていたことです。国庫負担の抜本的な引き上げも行わず、一般財源から繰り入れる自治体の努力を、国が否定することこそ問題です。

 陳情に反対した委員も、介護保険制度が「大変疲労を起こしているのは明らかで、制度の抜本改革には至っていない」として、国に対する意見の必要性を認めています。であれば、すでに「全国市長会、特別区区長会から国へ要望している」などと反対せず、区議会として、国の負担割合引き上げを求めるべきです。

 第二の理由は、「利用料2割の対象拡大」は、高齢者の負担増と、介護の利用抑制となるため、中止すべきだからです。

 厚生労働省は、2割負担の対象を拡大する場合の実施時期について、事実上来年度の導入は見送る方向性を示しました。しかし、それは、自治体のシステム改修や利用者への周知に時間がかかり、最速でも2025年8月実施」としているにすぎず「利用料2割負担の対象拡大」をあきらめたわけではありません。

 新日本婦人の会が1~3月に実施した実態調査では、施設入所者の介護費用は月額10万円以上が7割を占める一方、年金収入10万円未満が3割に上っています。すでにコロナ前から介護の利用抑制は起きています。共産党区議団のアンケート調査でも、介護を利用したことのある人のうち38%が「経済的な理由で介護をあきらめたことがある」と答えています。2割負担を拡大すれば、利用抑制が広がることは明らかです。

 第三の理由は、在宅介護を行っている家族への経済的支援は、急務の課題だからです。

 2023年4月1日現在の特別養護老人ホーム待機者数は、807人です。待機期間が2015年の約12.3カ月と比較して今年7月には、約5.3月に短縮されていると言っても、在宅介護は家族にとって24時間の介護であり、1ヶ月でも決して甘くはありません。

 委員会質疑の中で、23区中、新宿・台東・墨田・江東・世田谷・杉並・練馬・足立・葛飾の9区が要介護3もしくは4以上で在宅介護を行っている世帯に年間10万円を現金給付していることが示されました。それは高齢者福祉として一般会計から拠出しています。

 区が、「区独自の金銭給付事業はふさわしくない」として、検討も行っていないことは問題です。

 反対した委員は「制度発足当時の供給量不足を補うためのものだ」と言いましたが、いまでも特別養護老人ホームの待機者が800人を超える状況で、供給量不足の実態は変わりません。20年経っていても必要な経済的支援は、区として、実施すべきです。

 

 そもそも、国が社会保障費の自然増まで抑制する路線を続けてきたことが、介護や医療の自己負担を増やし続けてきたのです。今度は、迫られた少子化対策を、医療や介護の自己負担増で補うといったやり方に道理はありません。必要な少子化対策の実現も得られません。2.5兆円もの大軍拡をやめて子育て支援に回すのが正しい税金の使い方です。社会保障抑制路線を転換し、どんな時でも安心して、必要な介護や医療が受けられる環境整備こそ、国と行政の責務です。

 今こそ、区議会として、住民福祉の向上を求める役割を果たすことを呼びかけ、私の討論を終わります。

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