発言日: 2026年03月02日
討論日:2026年3月2日 討論者:荒川なお区議会議員

ただいまより、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、議案第12号「東京都板橋区職員定数条例の一部を改正する条例」に、反対する立場で討論を行います。本議案は、2026年度の職員定数を現在の3,615人から3,603人とするものです。定数増減の内訳は、増員37人に対し49人の減員で、差引き12人の減員です。
本議案に反対する第1の理由は、現場の要求に応えず、49人もの定数削減は容認できないからです。職員定数について、各部署から78人の増員要求がありましたが、査定により認められたのは37人です。慢性的に人員不足の声が上がっている福祉事務所でケースワーカーが3人減となります。区は、生活保護世帯数の減少を理由にしていますが、複雑で幅広い相談に耐えられるものにはなっていません。また、来年度から生活保護基準引き下げ違法判決に伴う補償、追加給付という過去に経験のない業務もおこなわれます。会計年度任用職員を6名配置するとのことですが、正規職員の負担が重くなることは避けられません。
子ども家庭総合支援センターでも、慢性的な人員不足の下、職員の努力などにより、辛うじて業務が支えられているのが実態です。現場から一貫して求められてきた職員定数の増は、来年度も実現の方向性は示されていません。過員配置をしなければ業務がまわらない状況が数年にわたり続いているにも関わらず、定数増としない理由はありません。土木・計画交通安全課では、最終補正の残業手当が約300万円増額となっている理由が、旧中央図書館計画づくり、自転車駐車場の廃止など新規案件が増えたことに伴い業務量も増えていることが要因となっています。現場からは「職員定数の増員が」求められてきましたが受け入れられませんでした。
第2の理由は、公務労働における官製ワーキングプアをさらに拡大するからです。定数削減の49人のうち21人が委託化です。その内訳は、学校調理・用務で8人、窓口業務等の委託で5人、保育園・調理用務の委託で4人、公園維持補修等の委託で4人となっています。教育や保育の調理や用務の職員は、職員集団の一員として教育や保育にあたるべきです。委託化は、教育や保育の持つ力を弱めることにもなります。子ども手当の係が委託となりましたが、子どもの相談業務を後退させることにもなりかねません。また、南部北部の両土木サービスセンターでは、令和7年度に1班、令和8年度にも2班目の委託導入がされようとしています。区道や公園など身近な公共用地の軽微な修正は、これまで、区職員が日常的に対応してきました。区職員だからこそ、住民要求に答え、緊急対応も進めることができました。委託による民間の対応では、土日祝日など、緊急時に対応できないことから、土木事務所民営化が見送られてきた経過があります。区自ら、その能力を手放してしまえば緊急時に対応できないことは明らかです。
第3の理由は、組織改正による組織の集約化によって、組織の相談体制などの低下を招くからです。おとしより保険福祉センターの廃止に伴い、管理部門や重複事業の整理、統廃合が進められ、今後は、終活支援や高島平健康福祉センターでの新規事業の開始が見込まれているものの職員定数3人減となっています。高齢者の一般施策の後退につながりかねず、高齢福祉の自助共助への置き換えが進められようとしていると言わざるを得ません。住宅政策課では、マンションの建て替え案件が増えることを想定し、住宅推進係を現在の10人から5人に減らし、5人をマンション政策係として、新たに配置されます。マンションにおける対策のための定数増は必要ですが、区の住宅相談においては、混雑していることも多く、住宅政策推進係の業務量を考えれば、定数を増やすべきです。産業振興課では、新型コロナ、物価高騰の影響による支援策が一定の収束を迎えたことを理由に、経済対策係を廃止するとしています。しかし、現在でも「コロナ前と比較して売り上げに影響が出ている」という実態が多く残されており、支援強化が必要なことは明らかです。
また、超過勤務時間数が年間360時間を超える職員数がいまだ100名を超えている実態から見ても、とても適切な定数配置とは言えません。
以上の理由で本議案に反対し、私の討論を終わります。