発言日: 2026年03月02日
討論日:2026年3月2日 討論者:いわい桐子

ただいまから日本共産党区議会議員団を代表し、議案第26号 高島平二・三丁目周辺地区 地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例に反対し討論を行います。
本議案は、高島平二・三丁目周辺地区の都市計画を昨年6月に決定したことに伴い、地区計画区域内の主に旧高七小跡の再整備地区と旧高七小に隣接する緑道部分における建築物等に関する用途の制限、建蔽率の最高限度や敷地面積の最低限度などの制限を定めるものです。
議案に反対する第一の理由は、高さ制限を引き上げ110メートルもの建築物を建てられるようにするからです。本条例が決まれば、旧高七小跡地である再整備地区1の高さ制限を現在の45メートルから110メートルに緩和することになります。その理由を区は、「UR2丁目団地の33街区の希望する住民が全世帯入居できるようにするため総合的に判断した」としています。
しかし、その規模は今の段階でも明らかになっていません。URは、現段階でも旧高七小跡地の必要戸数も高さも明らかにしていません。昨年8月の建替え事業に関するURの説明会では、新しい住宅の広さも間取りも家賃も何ひとつ明らかにならないまま入居意向調査が行われています。転居先の条件が明らかになるのは3年後の2029年以降です。現在の戸数1955戸のうち何世帯分の住居が必要になるのか分からず、現在の45メートルから、なぜ110メートルの高さが必要なのか、近隣住民から疑問の声が出るのは当然です。
しかも、URは、今の33街区にも住宅を建設し、そこに戻る世帯が発生することも視野に入れています。そうであるならば、区有地である旧高七小跡地をURに提供してまで、110メートルの住宅建設を行わなくても、今の33街区での建替えは十分可能と考えます。
近隣住民からは110メートルもの高い建物が建設されれば、景観、日影、騒音、交通量の増などの環境への影響を不安に感じる声や、その影響について環境アセスメントを実施してほしいという声も多く寄せられています。地域住民にとっては、今まで見ることができていた空が見えなくなり、今の45メートルの高さでも強いビル風で高齢者が転倒するなど、今より高い建物が建設された場合の影響を考えれば不安は尽きません。そうした不安に区は応えず、再整備地区周辺の住民生活にどう影響するのか、アセスメントも行わず、根拠も示さず「問題ない」「影響はない」と言い続け、住民の不安に背を向けてきた区の対応に住民の理解が得られるはずがありません。
反対する第二の理由は、前提となる地区計画そのものに住民合意が得られていないからです。本議案の前提となっているのが昨年6月に住民の反対を押し切って区が決定した高島平2・3丁目周辺地区 地区計画です。旧高七小の廃校をきっかけに「高島平のまちづくり」が浮上し、高島平グランドデザインが策定されてからもう10年です。区は、URが団地建替えを示したことから学校跡地を「種地」として活用し、「連鎖的都市再生」を図ると進めてきました。
一方で住民からは、介護施設や音楽ホールなどを求める声や、集会施設を増やすことなど、高島平で文化豊かに暮らし続けたい願いがたくさん寄せられていました。しかし、区はそうした住民要求には目もくれず、区民にとっての財産である「区有地」をURの建て替え用地として提供する計画を推し進めてきたのです。一昨年の2024年にいよいよ地区計画が発表され、地元住民や自治会からは計画撤回や説明会実施を求める陳情が提出され続け、地区計画決定前の4月には、計画撤回を求める3,500筆を超える署名が提出されました。区は、一昨年の住民説明会以降は「個別の説明」に終始し、昨年6月の地区計画決定後さえも、住民説明会を開催してきませんでした。区が必要と考えるなら、住民ととことん話し合って合意形成に努めるべきです。区が、説明責任も果たさず、住民合意を図る努力もせず住民合意のないまま、計画を強行することを許すわけにはいきません。
まだ間に合います。一旦立ち止まり、住民要求を受けとめて、住民が安心して豊かに住み続けられる街づくりとなるように、計画を抜本的に見直すことを求め、本議案に反対し、討論を終わります。