議案第7~ 11号令和7年度板橋区一般会計補正予算他、4特別会計補正予算の反対討論

発言日: 2026年03月02日

討論日:2026年3月2日 討論者:石川すみえ区議会議員

 ただいまから、議案第7号 令和7年度東京都板橋区一般会計補正予算、議案第8号 同国民健康保険事業特別会計補正予算、議案第9号 同介護保険事業特別会計補正予算、議案第10号 同後期高齢者医療事業特別会計補正予算、議案第11号 同東武東上線連続立体化事業特別会計補正予算に「反対」する立場から討論を行います。

 反対する第一の理由は、基金積み立てを優先した結果、区財政が硬直化しているからです。

 財政調整基金が87億円、義務教育施設整備基金が58億円、公共施設等整備基金が50億円など、あわせて189億円を積み立て、基金総額は1598億円を超え、過去最高額を今年も更新しました。地方自治体の財政は、単年度会計が基本であり、基金の積み立てそのものを否定するわけではありませんが、積み上げ額そして積み上げ幅ともに異常であり、原則から大きく外れていると言わざるを得ません。南常盤台住宅改築経費の契約差金は、約2億4千万円の減額です。契約を交わした4月には差金額が確定していましたが、9月補正ではなく最終補正での減額となりました。その理由を「全庁的な補正の運用に基づいたため」としています。全庁的に契約差金は使わないという財政姿勢が、基金積み上げにつながり、結果として必要な生活支援を行わなかったことは問題です。

反対する第二の理由は、区民生活を支える支援が不十分であり、来年度予想される施設整備に着手すらしなかったことです。

 第4号補正で、全区民に対し1万円のギフトカード配布が全会派一致で可決となりました。現在の物価高騰はほぼすべての区民への影響が大きくあり、対象に所得制限をかけなかったことは評価しますが、1万円ではお米5キロと子ども用紙おむつ2パックかったら終わりです。さらに今年度の補正で、区民生活を直接的に支える支援はこれだけです。苦しい区民の懐を温めるものとは到底なっていません。業績改善支援融資と持続成長支援融資の信用保証料補助が6500万円の減額となりました。938件の見込みが、205件にとどまったためです。この事業は、新型コロナウイルス感染症、または原油価格や物価高騰を背景に、区内中小業者を対象に信用保証料の半額補助を行うものです。区は、大きく見込み減となった理由を「コロナ禍前の状況に戻ってきたこと」などしていますが、物価高騰、異常円安等の影響はいよいよ大きく、沈静化していません。業績改善支援融資は今年度で終了予定ですが、執行残がまだあるため、延長すべきです。また、余剰金であらたな事業者支援を検討することは十分できたはずです。さらに、補正総括質問のなかで産業経済部長が「区景況調査をみても、区内業者の状況はコロナ禍を脱したといえる。物価高騰対策は基本的には東京都や国の役割」と答弁したことには、驚きです。板橋区の区内中小業者の経営を支えることが、区の産業経済施策として最も重要なことの一つです。区独自で率先して区内事業者支援を行うべきです。

 今年度9月から東京都の保育料第一子無償化がはじまったことにより、保育所入所希望者が急増しています。当初予算では利用延べ児童数が27618名だったのに対し、最終補正では47896名となっています。東京都の保育所等利用世帯負担軽減事業費補助金は6億8638万7000円の増額補正です。区は、来年4月の保育所入所状況について「非常に厳しい」状況であるとし、「できる限り対応を検討していく」としながらも新規施設の計画はありません。年度途中でも補正を組むなどし、待機児童をうまない施策を早急に講じるべきです。

 今年度から敬老入浴の回数券がカードとなり、2割の利用減です。単に公衆衛生の観点だけではなく、コミュニケーションや心の健康につながる事業です。利用減となった理由を分析し公衆浴場の支援にもつなげるべきです。来年度開設予定であった認知症グループホームは2施設とも、公募するも事業者が集まらず未整備となりました。予定では都市型軽費老人ホームも1施設開設することになっていましたが、こちらも整備ができず、特別養護老人ホームの入所希望者は630人となり、内371人は要介護4以上です。施設整備を民間まかせにせず、整備を急ぐべきです。介護保険会計では、今年度10億9780万5000円の積み立てです。一般会計への繰り出し金は1億545万2000円で、これは使わずに残したお金ということです。準備基金は40億円にのぼっています。介護保険料の引き下げが十分可能な額です。公園公衆トイレは約1億4600万円の減額補正です。減額の内容はトイレ清掃の契約差金ですが、この差金分を公園トイレ洋式化工事の前倒しに使うべきでした。

 反対する第三の理由は、区がすすめるまちづくりが住民不在になっているからです。

 東武東上線高架化は、事業認可から4年が経過しても、用地取得はわずか3.6%に留まり、大山駅駅前広場計画でも15%と計画は大きく遅れています。上板橋駅南口駅前、板橋駅西口周辺地区、大山ピッコロスクエア周辺地区の再開発事業も、進捗見合いで約29億7千万円もの減額補正となったことは、住民合意が進んでいないことの現われです。高島平のまちづくりや板橋駅西口駅前広場計画でも計画見直しの声が上がり続けているように、住民不在のまま計画を進める姿勢は改めるべきです。

 最後に、職員の雇用についてです。

 区立保育園の人材派遣経費が減額補正となりました。会計年度任用職員の保育充実職員の職を120名で見込んでいたところが年度いっぱいで約180名となる見込みとのことです。その分、約60ポスト見込んでいた派遣職員が8ポストに留まったということです。保育充実職員を想定より多く雇用できた理由は、単価が1時間1650円から1737円に上げたことです。最終補正では、区職員の時間外労働も多くみられました。安定した雇用で、かつ適正な労働環境のもとで勤務することこそ「全体の奉仕者」としての役割が発揮され、住民福祉の向上につながります。会計年度任用職員の正規化こそ必要で、派遣頼みはもってのほかです。

ため込まず、区民生活への積極的な支出をすることを求め、わたしの討論を終わります。

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