令和元年第3回定例会 討論 吉田豊明議員

発言日: 2019年10月11日

 ただいまより、提案者を代表いたしまして、議案第89号「東京都板橋区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する委員会決定「否決」に反対し、討論を行います。
 本議案は、国民健康保険に加入する世帯のうち、子どもが2人以上いる世帯の保険料の負担を軽減するため、子どもにかかる均等割額の一部を減額するものです。
 2010年度以前は、国保料の算定方式が住民税方式でした。そのため子どもの多い世帯でも扶養控除がふえるなど、保険料には、さまざまな世帯構成等の要件が反映されていました。しかし、2011年度以降は、算定方式が旧ただし書き方式に変更された結果、子どもの多くいる世帯や障がい者のいる世帯では、保険料の負担が大きくふえました。
 4人家族で、旧ただし書き所得300万円の世帯の場合、2010年度と2019年度を比較すると、保険料は16万8,355円から31万7,931円へとその負担は約2倍にもなっています。
 2019年度の39歳以下の均等割額は、5万2,200円です。子どもが1人ふえれば5万2,200円の保険料が新たな負担になり、子どもの多い世帯ほど負担が大きくなっています。収入のない子どもにまで均等割額として徴収する制度は、国民健康保険独特のもので、他の健康保険制度には見られません。
 議案に反対した委員からは、国が行うべきこととの意見がありました。国の責任は当然であります。市長会も区長会も、子育て世代の経済的負担を軽減するための国の財政措置など、国に対して意見や要望を上げています。しかし、国からは具体的な改善は一切示されていません。国が改善策を示さないからといって、板橋区が何も努力しなくていいということにはなりません。区として子どもへの均等割額の軽減に踏み出すべきです。既に、都内では清瀬市や東大和市、昭島市、武蔵村山市で、また全国では少なくとも26の自治体が子どもの均等割額の軽減、全額免除を実施しています。
 また、所得制限が必要との意見もありましたが、今回の議案は、特に負担の重い子どもの多い世帯への支援策であり、所得制限の必要はないと考えます。
 また、前回提案した際には、準備期間が短すぎるとのご指摘を受けました。今回の議案では、施行日を2021年4月1日とし、十分な準備期間を設けております。
 改めて、議員各位のご支持をお願いいたしまして、本議案の可決を求める討論を終わります。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。

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