令和元年第2回定例会 討論 いわい桐子議員

発言日: 2019年06月21日

 ただいまから、日本共産党区議団を代表して、議案第54号「東京都板橋区立公園条例の一部を改正する条例」に反対し、討論を行います。
 本議案は、区立公園の管理に指定管理者制度を導入するための条例改正を行うものです。条例改正によって、公園の維持補修や料金の収受を指定管理者が行い、公園利用などの許可権限は今までどおり区が実施するものです。また、指定管理者が行う自主事業についても料金を徴収できる規定となります。
 反対する第1の理由は、指定管理者制度の導入目的である、一層充実したサービスの提供は、区の直接運営でも十分行えるということです。
 区は、指定管理者制度を導入することで、施設の持つ潜在的な魅力を発掘、活用することができ、一層充実したサービスの提供と地域住民への大きな還元効果が期待できる、多様な住民要望や、これまで画一的だった公園管理について、きめ細やかなサービスの充実を図ることができるとしています。そして、当面、こども動物園のある東板橋公園と徳丸ヶ原公園に指定管理者制度を導入する予定を示し、ナイトズー、キャンプ、プレーパークなどの自主事業を事例として示しています。しかし、施設の魅力発掘も、充実した活用も、きめ細やかなサービスの充実も、直営で実施できない理由には当たりません。
 反対する第2の理由は、区民に身近な公園の管理について、住民と区の距離が遠くなるということです。
 区立公園には、落ち葉や段差、利用者同士のトラブルなど、苦情や改善要望も大変多い状況です。しかし、区民の声は、指定管理者を通して区に届くことになり、区自身が区民要望の実際の声を聞く機会は大幅に減少します。区の施設であるにもかかわらず、区民と区の距離が遠ざかることは、むしろサービス低下につながるものです。
 反対する第3の理由は、指定管理者制度の導入は、全ての区立公園が対象となっていることです。
 区は、当面東板橋公園と徳丸ヶ原公園の2か所に来年6月からの導入としています。しかし、本条例改正により、区が、今回導入する2か所の状況を評価した上で、適当な時期に包括的な管理を導入していくことを目指すと答弁しているように、今後も拡大されていく方針です。
 区立公園の管理には、木の剪定や清掃など、多くの区内業者がかかわっています。これまで公園管理に携わってきた委託業者が区と直接交わしてきた契約は、指定管理者と結ぶことになります。区と委託業者の間に指定管理者が入る二重構造になるにもかかわらず、区は年間30万円の効果額だとしています。それは、結果として委託業者に支払われる金額が下がることが懸念されます。区は、小規模事業者登録の利用や、障がい者施設などによる清掃などは要綱に明記する、現在こども動物園が無料で実施している動物とのふれあい事業なども、今後も無料で継続できるよう指定管理者との契約時に交わすと言いますが、条例改正ではその文言はなく、担保はありません。そもそも指定管理者制度導入の背景には、区の経営革新という名の人件費削減方針があります。いたばし№1実現プラン2021において、公園事務所と土木事務所の一体化も含めた業務体制の検討と示されています。その先には、職員定数削減の可能性は否定できません。むしろ、区が言う画一的だった公園管理を区の職員みずから区民と向き合い、豊かな公園管理ができるようにするための人員体制の充実こそ行うべきです。
 以上で、私の討論を終わります。

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