議案第26号「東京都板橋区国民健康保険条例の一部を改正する条例」

 

討論日 2021年3月23日

ただいまより日本共産党板橋区議会議員団を代表して議案第26号「東京都板橋区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対して、委員会決定「可決」に反対し討論を行います。

 本議案は、2021年度の国民健康保険料率等を決めるためのものです。

 国民健康保険事業が「都道府県単位化」となって4年目を迎えようとしていますが、都内23区中千代田区、中野区、江戸川区以外は、新年度も23区統一保険料のもと、国民健康保険事業を実施するとしています。

 新年度の保険料はいわゆる基礎賦課額については、前年度比で均等割額が1100円、所得割率については100分の0.01引き下がりましたが、後期高齢者支援金等賦課額保険料については、均等割り額が300円、所得割率が100分の0.12引き上がっています。一番大きな引き上げ額、率となったのが第2号被保険者の介護納付金賦課額保険料でした。その引き上げ額は均等割り額が1400円9%の引き上げ、所得割率が100分の0.54、27.7%もの引き上げとなりました。

 この保険料の改定でいくと、一人当たりの平均保険料額は基礎賦課額と後期高齢者支援金等賦課額のいわゆる医療分だけで10万7727円と、前年度より2343円の負担増に、介護納付金賦課額も入れると一人当たりの保険料額は14万2825円、前年度より7559円5.6%の負担増となります。

 一番負担額が大きくなる第2号被保険者の世帯、年収300万円子ども2人の4人世帯では、今年度より1万15円引き上がって、38万4877円で、収入に占める割合は12.8%です。月約20万円ぐらいの収入から毎回約4万円の保険料を払うと残りの16万円で家族4人の生活費を賄うには全く足りないのが実態です。ちなみに協会けんぽの保険料額は半分以下です。どれほど国民健康保険料が高いかはいうまでもありません。

 コロナ禍のもと保険料率等を決めるにあたって、どの自治体も「保険料を引き上げたくない」という点では共通の思いだったと聞いています。そのために一般会計からの法定外繰入額を今年度の96%から1%分減らして97%とすることになっていましたが、そのために保険料額が引き上がることをさけるため、今年度と同じく納付金96%分を保険料に反映させるとして、据え置くことを決めました。

 そもそも国民健康保険事業は、いわゆる雇用主を持たない人たちの命を守るべく、社会保障制度として位置づけられてきました。雇用主の代わりに国が責任を持つこととして行われていましたが、その国の責任が当初は総医療費の2分の1だった財政負担割合を臨調行革の名のもと、保険対象の2分の1へと減らされ、その保険対象の事業も減らされ、国の支出する財源は大きく減っていきました。

 国民健康保険は高齢者、障害者、無職の方など、いわゆる社会的弱者といわれる被保険者が多くをしめています。後期高齢者医療制度と同じく医療を必要としている人が多くをしめているのですから、かかる医療費が膨らむのは当然です。その医療費の半分を低所得者が多い国保加入者に保険料として課すのですから、保険料が高すぎて支払いが厳しくなることは明らかです。

 増やすべきは保険料の方ではありません。増やすべきは国の支出と保険者でもある東京都の支出です。そして板橋区は国や東京都に対して、そのことを強く求めつつ、被保54r

 23区は法定外繰り入れについて、96%据え置きで計算をしましたが、一般会計からの繰り入れ額を増やして保険料の引き上げを抑えるべきです。

 さらに、新年度からは東京都の運営方針の見直しを受け、新たに「保険料の収納率目標設定」が行われることとなります。徴収強化ばかりで、払うことのできる保険料額に引き下げる見直しを行おうとはしていません。

 医療費を抑制する基本は「早期発見・早期治療」です。早期に病気を治すことのできる自己負担に改善することこそ求められています。ましてや医療を受ける権利を奪う「資格証の発行」「差し押さえ」はやるべきではありません。

 以上、子育て中の年代でもある世帯に対して特に大きな負担を課すことにもなる本議案には賛成できないことをのべ、討論を終わります。

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